映画『異端者の家』|見せかけの笑顔に潜む底しれぬ狂気【ひとくち感想】

Heretic/出典:rottentomatoes

原題: Heretic/製作年:2024/時間:1h 51m/製作国:アメリカ/言語:英語/主演:ヒュー・グラント、ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト

はじめに…

この記事は感想ひとくちメモのような内容になってます。作品についての考察や深掘りはしておりませんが、ネタバレは含みます。ご了承のうえ、お読みください。

スポンサーリンク
目次

あらすじは・・・

若いモルモン教のシスター、パクストンとバーンズは森に囲まれた一軒家を訪れる。リードという気さくな男性に迎えられた2人は神の教えについて説明を始める。だが、あらゆる宗教に精通しているリードは「どの宗教も真実とは思えない」と持論を展開し…。

U-NEXTより

評価

IMDb:7.0

ロッテントマト
平均トマトメーター:90%
平均ポップコーンメーター:76%

ホラーの醍醐味!
じわじわ〜っと恐怖を味わう作品でした

ひとこと感想

重大なネタバレはしていませんが
作品のテーマに触れています

恐怖を助長する「3人芝居」の没入感

『異端者の家』は、一瞬たりとも目が離せない没入感が高い映画でした。

まさにハロウィンの季節にピッタリ!(10月に鑑賞したのです)

最近の流行りなのか(コロナ禍の影響なのか)登場人物は少なめで、ほとんどのシーンが主演3名(ヒュー・グラント、ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト)で繰り広げられる内容でした。

「演技で魅せる!」作品でしたが、古めかしい屋敷に主要人物3人のみが存在する設定がじわじわと恐怖を助長してゆく流れで、気づけば視聴者の私も陰湿な狂気の世界へと引きずり込まれていた感覚です。

ヒュー・グラントの柔和な狂気

作品の要と言える、古めかしい屋敷に住む狂人リードを演じたヒュー・グラントの不気味さは天下一品!

彼の持ち味である柔和さの中に見え隠れするリードの闇は、恐怖を呼び起こします。見た目とは違うリードの本質は、人を見た目で判断してはいけないという警告のようでもありました。

シスターの「リアル」

一方、リードに囚われたシスターふたり(ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト)の演技も素晴らしかったです。

ふたりは、まるで蜘蛛の巣にかかった獲物そのもの。

疑うことなくリードの家に足を踏み入れたふたりの宣教師(末日聖徒イエス・キリスト教会“モルモン教”の宣教師)が、リードの不躾な議論に対して不愉快な様子も見せず、ひとつひとつ丁寧に対処していく姿は、この宗教のリアルな側面を描いているようでした。

それもそのはず。演じているソフィー・サッチャーとクロエ・イーストは、元モルモン教徒とのこと。なるほど、説得力があるはずです。

「布教活動」という設定

リードの目的が「捕らえた人間を支配すること」だとしたら、彼女たちの設定は布教活動する宣教師でなくても良いのかもしれませんが、これは視聴者に違和感や疑問を抱かせないための巧妙な設定だったのかもしれません。

ネットが普及した現代において、罠を仕掛けた家に縁もゆかりもない人間を誘き寄せ、疑われることなく家の中に招き入れ、そして捕らえる・・・というストーリーを成立させるのは非常に難しい気がします。

そんな現代で、疑問を抱くこともなく、自らの意思で見知らぬ人の家に入ってゆく人間がいるとしたら、布教活動している宣教師くらいなのかもしれません。

映画の中で繰り広げられる宗教論はさておき、精神的に追い詰められる感覚は見応え十分。息苦しいほどの心理的な恐怖を存分に体験させてくれた、そんな映画でした。

お読みいただきありがとうございました

スポンサーリンク
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次