映画『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』|戦争がもたらす悲惨な真実を伝えた女性写真家の生き様【ひとくち感想】

Lee/出典:rottentomatoes

原題:Lee /製作年:2023/時間:1h 57m/製作国:イギリス/言語:英語/主演:ケイト・ウィンスレット

はじめに…

この記事は感想ひとくちメモのような内容になってます。作品についての考察や深掘りはしておりませんが、ネタバレは含みます。ご了承のうえ、お読みください。

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目次

あらすじは・・・

1938年、フランス。芸術家や詩人の親友たちと休暇を過ごしていたリー・ミラーは、芸術家でアートディーラーのローランド・ペンローズと出会い、瞬く間に恋に落ちる。だが、ほどなく第二次世界大戦の脅威が迫り、一夜にして日常生活の全てが一変する。

U-NEXTより

評価

IMDb:6.9

ロッテントマト
平均トマトメーター:68%
平均ポップコーンメーター:94%

現代への警告のような映画でした

ひとこと感想

重大なネタバレはしていませんが
作品のテーマに触れています

従軍記者としての顔

モデルから報道写真家に転身したリー・ミラーの数奇な人生もさることながら、リー・ミラーを演じたケイト・ウィンスレットの魂をこめた演技に圧倒される映画でした。

この映画は伝記作品ですが、単にリー・ミラーの生涯を描くものではなく、核を成すのはリー・ミラーの従軍記者としての顔。華やかなモデル時代や芸術家たちとの交流といった側面はあえて控え、第二次世界大戦の悲惨な真実を目のあたりにしたリーを描くことに焦点をあてています。

この従軍記者時代を核に据える構成は、作品の原作『リー・ミラーの生涯』の著者であり、リーの息子であるアンソニー・ペンローズ氏と、プロデューサーも務めたケイト・ウィンスレットの強い思いがあったとのこと。

そんな制作陣の思いがこめられたこの映画は、戦争の現実を目の当たりにしたリーが感じた恐怖や苦悩、写真を撮り続けた彼女の使命感といったものがストレートに心に響く作品でした。彼女が戦場で見たものは、一時の出来事ではなく、人生観や人間性といったものまで変える経験だったのだと強く感じさせられました。

平和への警鐘としての写真

リー・ミラーが残した写真の数々は戦争の生々しい現実を伝えています。それは、混沌とした暗い時代へ進もうとしている現代への警鐘として響き、「平和の尊さや大切さ」を強く訴えているように感じます。

中でも印象的だったのが、ヒトラーが台頭してきた際の、リーや友人たちの「彼を支持する人などいない」という楽観的な受け止め方です。あの時リーたちが軽視した「まさか」の瞬間を、今まさに私たちも直面しているのではと感じ、戦々恐々とさせられました。

さらに、リーが捉えた戦争の真実は、歴史を語るうえでも重要なものに違いありません。戦場で彼女を突き動かした「真実を伝えなければ」という強い正義感は、真偽に関係なく拡散が重視される現代を生きる私たちが心に刻むべきことだと感じます。

まとめ

圧倒的な存在感でリーを演じたケイト・ウィンスレットはもちろんのこと、従軍記者としてリー・ミラーと行動をともにしたデイヴィッド・シャーマン役アンディ・サムバーグの感情を揺さぶる演技も素晴らしかったです。

ユダヤ系アメリカ人であるシャーマンが戦場で受けたであろう衝撃と深い慟哭を、アンディ・サムバーグは抑圧された静かな表現で演じています。彼のその演技は、激情的な表現以上に見ている者に強いインパクトを残すものでした。

私にとって、この『リー・ミラー 彼女の瞳が映す世界』は過去の悲劇を描きながらも、現代への警鐘を促す作品として、深く心に刻まれました。

お読みいただきありがとうございました

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