海外ドラマ『グッド・アメリカン・ファミリー』ー異なる視点から描く真実の行方ー全8話まとめて感想【ネタバレ有り】

原題: Good American Family/製作年:2025/話数:8話(Mini Series)/製作国:アメリカ/言語:英語

はじめに

この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

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目次

『グッド・アメリカン・ファミリー』全8話

このドラマのキーワード

ドラマの要素
  • 実話
  • 疑惑
  • リミテッドシリーズ
こんな事件があったなんて

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました

養子にと考えていた少女が血縁者に引き取られたことで、溝ができていたマイケルとクリスティンのバーネット夫妻は小人症の7歳の少女ナタリアを養子に迎える。マイケルは手放しにナタリアを可愛がるが、ナタリアの身体に成人の証拠を見たクリスティンはナタリアに疑念を抱くようになる。やがてクリスティンの疑念にマイケルも同調し、問題行動と医師の判断を証拠に、夫妻はナタリアの年齢を法的に22歳に変更する。突然、成人になったことに困惑するナタリアは、夫妻が用意したアパートでの一人暮らしを余儀なくされる。

主要登場人物

物語の中心人物は?

クリスティン・バーネット

(エレン・ポンピオ)
ナタリアの養母
自閉症の長男の才能を見出したことをビジネスにしている
ナタリアに疑念を抱く
独善的

マイケル・バーネット

(マーク・デュプラス)
ナタリアの養父
ナタリアを可愛がっていたが、やがて妻に同調していく
恐妻家

ナタリア・グレース

(イモージェン・フェイス・リード)
ウクライナ出身
小人症の少女
バーネット家の前にも養子縁組を解除されている
7歳のときバーネット家に迎えられ、後に法的に成人年齢に変更される

画像出典:IMDb

評価

記事執筆時の各サイトの評価は?

IMDb:6.3
ロッテントマト:50%

意外にも辛口評価でしょうか?
わたしの満足度はかなり高めの

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『グッド・アメリカン・ファミリー』全話まとめて感想

ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください

ドラマで描かれたようなことが実際に起きたとは、にわかに信じられない内容でした。

「ナタリアは子供なのか、大人なのか」という事件の核心について触れておくと、ナタリアは年齢を詐称していませんでした。法的に年齢を22歳に変更された当時、彼女の本当の年齢は8歳。これは、彼女を診察した医師、さらにはDNAで確認された実の母親の証言により証明されている、とのことです。

ひとりの人間の子供時代を奪い、虐待し、遺棄したバーネット夫妻が法的に罰せられないという結末に納得できない憤りを感じますが、それは全話見終わったからこその感情で、クリスティンの視点で描かれる前半部分では私もナタリアに恐怖を感じていたのも事実です。

そういった点も含めて、『グッド・アメリカン・ファミリー』は事件の見せ方が秀逸でした。

クリスティンの視点で語られる前半4話を見た時点では、世間の人々がそうであったようにクリスティンの主張を信じる自分がいるんですよね。

クリスティンの疑念や恐怖は事実で、ナタリアは恐ろしいソシオパス。4話までのストーリーで、私の中にもそういう図式が出来上がり、法的に大人になったナタリアから一家が距離を置けたことに安堵しました。

そして一転。5話〜、ナタリアの視点で語られるストーリーを見て、愕然とするのです。

突然、成人として扱われ、アパートに置き去りにされたナタリアの苦境。真実だと思っていた事がそうではないかもしれないと気付かされたときの驚き。私はいったい何を見ていたのか・・・という困惑。

ドラマを通じて私が感じた衝撃は、この事件に注目した世間の人々が感じたものと同じだったのではないでしょうか。それを追体験させる演出は本当に素晴らしかったです。

さて、この作品の見どころは見せ方だけではありません。特筆したいのは、俳優陣の演技力についてです。

エレン・ポンピオは、『グレイズ・アナトミー』のメレディス・グレイのイメージを払拭してくれました。本人が制作に加わっていることもあり、こだわりを感じる演技でした。笑顔の下から見え隠れする独善的な本性の見せ方など、こんな演技ができるのかと感嘆させられました。

さらに、作品の成功の鍵を握るナタリアを演じたイモージェン・フェイス・リードの言葉では言い尽くせない圧倒的な存在感。素晴らしかったー。イモージェンは新人らしいのですが、そうとは思えない演技力でした。

実年齢27歳(撮影時)のイモージェンが演じたナタリアは、ストーリーの中で7歳から思春期(16歳くらい?)に成長するのですが、違和感ない子供時代(しかも視聴者に疑惑を植え付ける演技!)だけでなく、時間の経過とともに精神的な成長を示す演技力はこの物語を牽引していました。

悲惨な子供時代を送ったナタリアのために尽力した検察官がいたことに救いを感じる一方で、バーネット夫妻が無罪だったことや、一人暮らしに苦慮していたナタリアを保護したマンス夫婦にも虐待疑惑が浮上した事実は心が痛くなる結末でした。すっきりしないものを感じつつ、私の感想を終わります。

お読みいただきありがとうございました

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