海外ドラマ『レッスン in ケミストリー』全話まとめて感想|不遇の時代に科学者になる夢を追いかけた女性の物語【ネタバレ有り】

Lessons in Chemistry/出典:rottentomatoes

原題: Lessons in Chemistry/製作年:2023/話数:8話(全1シーズン)/製作国:アメリカ/言語:英語

はじめに

この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

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目次

『レッスン in ケミストリー』全8話

このドラマのキーワード

ドラマの要素
  • 1950年代
  • 家父長制社会
  • 女性の社会進出
  • 小説が原作
  • ソウルメイト
これは道を切り開く女性の物語

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました

1950年代、男性社会のアメリカ。指導教官による性暴力の被害者であるにもかかわらず、自分の身を守った行為を問題視されたエリザベス・ゾットは博士号を取得できなかった。博士号を持たないエリザベスはヘイスティングス研究所の研究員になれず、実験助手として働いている。女性蔑視や偏見が当然の風潮としてある研究所の中で、彼女に求められることは科学の知識ではなく、研究員である男性を支えること。鬱屈とした日々を送るエリザベスだが、世間の風潮に囚われない天才研究員カルヴィン・エヴァンスとの出会いから人生が一変する。理解しあえる相手に巡り合ったふたりは研究に没頭しながらも愛を育み、公私ともにかけがえのない存在になる。そんなふたりが同居をはじめた矢先、突然の事故がふたりを引き裂き、エリザベスは予期せぬ新たな道を歩むことになる。

主要人物

エリザベス・ゾット

(ブリー・ラーソン)
ヘイスティングス研究所実験助手
性暴力に反撃したため博士号をとれなかった
科学の視点で作る料理は絶品
研究に情熱を持つが男性社会では独自の研究は認められない

カルヴィン・エバンス

(ルイス・プルマン)
ヘイスティングス研究所のスター研究員
差別も偏見もなくエリザベスの才能を認める
お向かいに住むスローン家と親しくなる

ハリエット・スローン

(アジャ・ナオミ・キング)
カルヴィン宅のお向かいの住人
エリザベスを支える
弁護士を目指す

ウォルター・パイン

(ケビン・サスマン)
エリザベスを見出したTV局のプロデューサー
娘同士が友人でエリザベスと知り合う
離婚後シングルファーザーで娘を育てている

画像出典:IMDb

評価

IMDb:8.2
ロッテントマト:83%

出会えてよかった!
満足です!

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『レッスン in ケミストリー』全話まとめて感想

ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください

心がきゅっとしめつけられて、最後に温かいものが残る。そんな素敵な物語でした。

『レッスン in ケミストリー』の見どころは、喜怒哀楽を織り交ぜたストーリーや、科学と料理を結びつける意外性だけではありません。私が最も魅力を感じたのは、主人公であるエリザベス・ゾットの揺るぎない人間性です。

舞台となる1950年代は、女性蔑視や差別が色濃く残る家父長制社会の時代。その時代に、科学者として生きようとする主人公エリザベス。“女性”というそれだけの理由で軽んじられるエリザベスを見て痛々しい気持ちになる一方で、諦めることなく研究への情熱を持ち続けるエリザベスの姿は勇気を与えてくれるものでした。

時代の違いはあるけれど、ドラマで描かれるエリザベスの生き方には、人として見習いたいヒントがたくさん。

偏見や差別を是とする上司や同僚と同じ土俵には乗らず、理不尽を受け流し、雑音に囚われることなく本当に重要なこと(研究)に集中するエリザベスは、些細なことでグチグチ悩みがちな私にとってまさに処世術のお手本です。

さらに、あの率直で純粋な人柄。自分を尊大に見せようとか、目的のために媚を売るとか、そねみやねたみ、そういった邪念はいっさいありません。自分にとって大切なことを見極めているエリザベスは、ただシンプルに自分らしく生きればいいのだと教えてくれているようでした。

そんなエリザベスですが、彼女は決して完璧な人間ではなく(完璧主義者だとしても)、不器用な部分も多々あるんですよね。その不器用さも彼女の魅力。愛想のなさが誤解を招くことはあったとしても、誰に対しても真摯で率直な人柄は特筆すべき長所です。

人柄についてばかりの感想になってしまいましたが、内容のほうも素晴らしかったです。エリザベスの人生を軸に、エリザベスやカルヴィンが育った背景、ふたりの娘マッドが生まれる前に亡くなってしまった父カルヴィンについて知ろうとする過程など、盛りだくさんのストーリーが展開され、深い充実感を覚えました。

さいごになりますが、『レッスン in ケミストリー』から学んだ、もうひとつ大切なことは『人生は続く』ということ。

心が折れてしまうような悲痛な出来事、乗り越えられないと感じるほどの悲しみ、理不尽に押しつぶされそうになる時。まるで出口のないトンネルの中にいるように感じてしまった時でも。エリザベスは教えてくれます。人生は続き、どんな時でも道は開かれるのだと。

お読みいただきありがとうございました

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