映画『リトルハンプトンの怪文書』|下品極まりない手紙に隠された心の叫び【ひとくち感想】

Wicked Little Letters/出典:IMDb

原題: Wicked Little Letters/製作年:2023/時間:1h 40m/製作国:イギリス/言語:英語/主演:オリビア・コールマン、ジェシー・バックリー

はじめに…

この記事は感想ひとくちメモのような内容になってます。作品についての考察や深掘りはしておりませんが、ネタバレは含みます。ご了承のうえ、お読みください。

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目次

あらすじは・・・

1920年代、イギリスの海辺の町。イーディス・スワンと、アイルランド出身の荒くれ者、ローズ・グッディングは隣人同士。ある日から罵詈雑言に満ちた匿名の手紙が住民に届くようになり、ローズに疑いがかかる。やがて彼女は法廷で裁かれることになるが…。

U-NEXTより

評価

IMDb:7.0
ロッテントマト
平均トマトメーター:80%
平均ポップコーンメーター:92%

のきなみ高評価!

ひとこと感想

ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください

映画の舞台は1920年ですが、作中に風刺的に盛り込まれた「男性優位社会」や「女性蔑視」といった問題は現代にもあり、世界は変わったようでいて、根本はちっとも変わってないのかも。そんなことを考えながらの鑑賞でした。

特にそう強く感じたのは、嫌がらせ手紙事件の真犯人を逮捕したグラディスに対する上司や警官仲間の態度からです。

グラディスのことを単なる「警官」ではなく「女性警官」と強調する彼らに嫌悪感すら抱くのですが、考えてみると日本にもありますよね。「女性警察官」って言葉。

グラディスに対する「女性警官」という言葉には明らかに差別の意図がにじんでいて、日本のそれとは違うのだろうと納得しつつも、職業に性別をつけること自体が、そもそも差別的な表現なのかも。と考えさせられています。

さて、そのグラディスの活躍で、逮捕された真犯人は嫌がらせの手紙を最初に(何通も)受け取った被害者イーディスでした。

はやいうちからイーディスが犯人だと察しはつくものの、犯行に至った理由は思いのほか深いものがありました。

結婚や独立で兄弟たちが家を出ていく中、年老いた両親のもとに置き去りにされたかのようなイーディスにとって、お隣に引っ越してきたローズとの出会いは人生を変えるセンセーショナルな出来事だったんですよね。

支配的な父から逃れる術がなかったイーディスが、あけっぴろげで口汚いローズに憧れを抱いたのは当然のこと。ローズには、イーディスにはない自由がありました。

実家に縛り付けられているようなイーディスが「ローズのようになりたい」と願うのは、自然のことだったのではないでしょうか。

逮捕されることで父からついに自由になったイーディス。ラストシーンで見せた開放感に満ちた笑顔は、この奇妙な事件の真の真相を物語っていました。

お読みいただきありがとうございました

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