
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『GBI特別捜査官 ウィル・トレント』シーズン3後半エピソード
シーズン3後半のキーワード
- 罪悪感
- 親子
- 贖罪
- 別れ
- 病魔

イントロダクション

シーズン3後半の導入部分をまとめてみました
捜査中の不可避な出来事で少年の命を奪ったウィルは、深い自責の念に苛まれる。憔悴するウィルは支えようとするマリオンを遠ざけ、孤独の殻に閉じこもる。その一方で、アンジーは医師セスとの関係を深めてゆく。
息子ジェレミーがウィルの内通者になった経緯を知ったフェイスは、ラファエルを探るウィルに協力する。そんな中、ウィルも世話になったラファエルの祖母が亡くなり、ラファエルは友であるウィルを頼る。
『GBI特別捜査官 ウィル・トレント』シーズン3後半エピソードの感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
期待と戸惑いが交錯する転換期
う~む
ウィルを始めとする主要キャラそれぞれが岐路に立つストーリーで、それぞれに見どころが用意されていましたが、なんだろう?釈然としないこの気持ち。
前シーズンが素晴らしかったこともあり、期待が大きすぎたのでしょうか。
18話に拡大されたシーズン3は核となるストーリーよりも余談のような枝葉が目について、世界観を損なっていた印象です。辛口でごめんなさい。
違和感を感じた部分は、シーズン2までの「犯罪捜査+人間ドラマ」を実直に描く路線から外れ、遊び心が随所に取り入れられてた点です。
もしかして原作小説の世界観に基づいた遊び心だったのかもしれないけれど、ウィルが突如として霊能者みたくなるのは変だと思うのです。前にも被害者の少女が見えるような演出はありましたが、そのときはウィルの心象風景と受け止められるものでした。でも、今回は死んだ少女が実際に見えており、会話もしています。
さらに、まさかのダンシングシーンまで。薬物の影響下で見ている幻覚でしたが、不可避だったとはいえ少年の命を奪った現実から立ち直れないウィルに、あのきらびやかで思わず笑ってしまうようなシーンは必要だったかな?と、疑問です。
過去との決別と未来への一歩
不満な点を先に書いたので、ここからは良かった点についての感想です。
まずは大好きなアンジーについて。
シーズン3はアンジーにとって、大きな転機のときでした。
ファンとしては残念ですが、ウィルと別れたことで、新たな人生に踏み出したシーズンでしたよね。
アンジーの新たな章のテーマは、古いしがらみを手放すこと。ウィルだけでなく、複雑でねじれた関係の母親のことも。
母を亡くしたアンジーの胸中は複雑でした。そこにあるのは悲しみだけでなく、長年にわたる愛憎も。
アンジーの心に積もった苦しみを溶かす唯一の方法は、たぶん母の「ごめんね」という言葉だったと思うのです。そんなささやかな言葉も、もう手に入らないアンジーの慟哭は、見ていて本当に辛いものがありました。
母の死をきっかけにアルコールに手を出したアンジーを立ち直らせたのは、妊娠という思わぬ出来事。父親はセス。医師として恋人として、アンジーに妊娠の事実を知らせるセスのセリフに感動したのは、わたしだけではないはずです。


アンジー同様に、ウィルの人生にも新たな展開がありました。
マリオンとの別れはあっけなさすぎましたが、シーズン後半に思わぬサプライズが待っていましたよね!
なんと!ひょんなことから、捜査で出会った田舎町の堅物保安官ケイレブが実父だと判明しました。
ウィルも驚いたでしょうが、視聴者の私も驚きました。
連続殺人犯のアルスターが実父でなくて良かったと安堵すべきところですが、あまりに唐突!
私の驚きはさておき、生物兵器テロという大きな事件を共に捜査するうちに、距離を縮めてゆくウィルとケイレブ。さらに、ウィルはケイレブと母の出会いと、ふたりの間にあった小さな愛についても知りました。
幼い頃から家族に憧れていたウィルは、自分の力で「家族」と呼べる仲間を作ってきました。生真面目すぎて不器用なウィルだけれど、彼の誠実さは本物だから、多くの人が彼の傍らにいるんですよね。そしてその「家族の輪」に父ケイレブが加わることになりました。
血縁者(母の弟)はすでに見つかっていますが、ケイレブを実父として受け入れたウィルが、彼の家族と交流する姿も見てみたいです。全員、融通が利かない超堅物家族だったりして・・・。
ラファエルとの絆
シーズン3後半の重要な山場は、前半から続くウィル因縁のギャングリーダー、ラファエルの件でした。
祖母を亡くしたラファエルが頼ったのはウィル。ウィルが友人としてラファエルを支える中で、ふたりの出会いと決別した経緯も描かれました。そして、逮捕することでラファエルの命を救いたいというウィルの切なる思いも明かされます。捜査官とギャングという真逆の道へ進んだふたりですが、ふたりの心の中にある友情は消えてなかったんですよね。
裏切り者に命を狙われたラファエルはウィルの計画に従い、逮捕されたうえで司法取引で証人プログラムを受けることになり、ドラマから去ってゆきました。アマンダに預けていた娘とともに。父と娘で暮らせることに満足して、悪の道へ戻らないようにと祈るばかりです。
まとめ
今シーズンは、マリオン役のジーナ・ロドリゲスが目玉ゲストでしたが、思いのほか見せ場が少なかったかな。アンジーと別れたウィルを癒やすという重要な役目を担っていたマリオンでしたが、予想以上に早期退場でした。マリオンは良きキャラだったし、『ウィル・トレント』の世界に違和感なく馴染んでいたので、またどこかで登場してほしいです。
さて、シーズン3は主要キャラそれぞれに大きな出来事があり、全員がシリアスな問題に直面しました。特に健康問題を抱えるオームウッドと、意識不明のままシーズンが終わったアマンダは心配です。次シーズンで、ふたりが元気な姿を見せてくれますようにと祈りつつ、私の感想を終わります。



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