海外ドラマ『ドクター・デス』シーズン1全話まとめて感想|死をもたらす医師と医療の闇【ネタバレ有り】

Dr. Death/出典:IMDb

原題:Dr. Death /製作年:2021(アンソロジーシリーズ)/話数:8話(シーズン1)/製作国:アメリカ/言語:英語

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目次

『ドクター・デス』シーズン1

はじめに

この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

このドラマのキーワード

ドラマの要素
  • 実話
  • 医療の闇
  • ナルシシスト
  • ソシオパス
  • 正義の裁き
実話なんです

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました

脳神経外科医クリストファー・ダンチが終身刑を受けるまでを追う、実話を基にしたドラマ。

2012年。ダラス医療センターが迎えた脳神経外科医クリストファー・ダンチはその立派な経歴とは異なり、まるで成りすましの詐欺師のようなひどい技量を示す。

患者に害を及ぼすダンチに疑念を抱いた外科医ヘンダーソンと、以前よりダンチの危険性に気づいていた外科医カービーは、これ以上ダンチの犠牲者を出さないためにも行動を開始する。しかし、医療の闇は深く、手術を続けるダンチを止めることは困難を極める。

評価:ロッテントマト

トマトもポップコーンも、高評価!

ロッテントマト
平均トマトメーター:93%
平均ポップコーンメーター:87%

内容も恐ろしく、迫真の演技も恐ろしい
この恐怖を満足度に換算すると・・・

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『ドクター・デス』シーズン1 全話まとめて感想

ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください

まるでホラー

心霊的な作品とはまったく異なる、実話がもたらす恐怖。この『ドクター・デス』の内容は、まさにそんなホラーでした。

心底ゾッとした驚愕の医師、ダンチの物語は、医療の闇と闘う医師たちを描いたドラマ『レジデント』を彷彿とさせます。

『レジデント』は完全なフィクションなので、「正義が勝つ」という確信を持って、楽しみながら視聴できましたが、実話はそうはいきません。

ダンチが危険な医師だと分かっていても、彼の手術を止められない現実。そこには驚き以上の失望があり、「これがフィクションならいいのに」と願いながらの視聴でした。

なぜ彼は凶行を止めなかったのか?

最終的に、ダンチは有罪判決を受けて終身刑になりましたが、そこに至るまでの道のりの長さと困難さは途方もないものでした。

ダンチを阻止すべく諦めずに闘い続けたヘンダーソンやカービーのような人がいる一方で、当のダンチもまた諦めずに手術に執着していくのです。

手術をすればするほど不適格さを露呈しているというのに、拠点を変えながら手術を続けようとしていたダンチの頭の中を想像してみても、さっぱり分かりません。

潔く外科医を辞めて、研究者の道へ進むこともできたはずなのに、そうしなかった理由は何なんでしょう。

たとえ執刀したとしても、達成感もなければ、自己顕示欲を満足させることもできないはずなのに、それでも続けた理由がミステリーすぎます。

ドラマの中でもその点に関しての答えは示唆されておらず、ダンチという人間の不可解さに繋がっています。

逮捕後のダンチと面会した父親が、彼が幼少期からとてつもなく頑固だったと語っていましたが、頑固という気質のせいで手術に執着したとは思えません。

ダンチがナルシシストのソシオパスだったのは間違いないと思うのですが、ドラッグの常用がもともとあった危険な気質を加速させたのでしょうか。

これは、いくら考えても分からない問題です。

暴挙を助長した医療の闇

良心の欠片もないダンチの傍若無人な振る舞いが目に付きましたが、彼の悪行を止めなかった人々も同罪だと感じました。

特に、ダンチの危険性を知りながら放置した各病院の責任者。患者の安全を守るべき彼らが守ったのは、病院の評判と利益でした。

ダンチの被害者が増え続けた原因のひとつには、彼を雇った病院の「うちの病院から出て行ってくれればそれでよし」という利己的な考えがあったのは間違いありません。

「義務ではないから通報しなかった」とか「(ダンチとの)訴訟をさけたかった」とか、そんな言い訳は、ダンチの被害者やその家族に通用するとは思えません。

評価:迫真の演技と複雑なストーリー展開

なんだか怒りモードの感想になってきたので、ドラマとしての『ドクター・デス』の良かった点といまひとつに感じた点をあげたいと思います。

良かった点は、ダンチ役ジョシュア・ジャクソンの鬼気迫る演技!

これに尽きると言ってもいいくらい、圧倒的な存在感でダンチを演じていました。

傲慢で高圧的な態度から、患者の心をつかんだ笑顔まで。そして、追い詰められてゆくにつれ、彼特有の眉間のシワが深くなってゆく様は見事でした。

まさにソシオパスの闇を見せる演技だったと思います。

逆に、いまひとつに感じた部分はストーリー展開です。ダンチに疑念を抱いたふたりの医師の調査を軸にして、ダンチの大学時代からの経緯を追うストーリーは時系列の把握が難しかったです。

数話分を経て、冒頭で描かれたダンチのダラス医療センター初日に繋がり、あの日のダンチの精神状態や置かれた状況が明かされる演出は、まどろっこしく感じてしまいました。

まとめ

ダンチはシリアルキラーだったのか?

この問いに対する答えは、ドラマの中では得られませんでした。

もし、被害者のために正義を成したいという思いを行動に移した医師や検事補がいなければ、ダンチはいまもどこかで被害者を増やし続けていたのかもしれません。

命を預ける医師や病院を選ぶとき、私たちは何を基準にすればいいのでしょう。

お読みいただきありがとうございました

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