海外ドラマ『フライト・アテンダント』シーズン1〜2全話まとめて感想|ケイリー・クオコが仕掛けるポップでビターなサスペンス【ネタバレ有り】

The Flight Attendant/出典:rottentomatoes

原題: The Flight Attendant/製作年:2020-2022/話数:16話(全2シーズン)/製作国:アメリカ/言語:英語/主演:ケイリー・クオコ

はじめに

この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

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目次

『フライト・アテンダント』シーズン1&2:概要

キーワード

ドラマの要素
  • 客室乗務員
  • アルコール依存症
  • 脳内会議
  • 殺人事件
  • トラウマと再生
ドタバタ劇に見えて奥深い

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました

自ら版権を取得したケイリー・クオコ主演・製作。原作はクリス・ボジャリアン(Chris Bohjalian)の2018年同名小説。

国際線の客室乗務員のキャシーは自由奔放でアルコール依存症。世界を飛び回る彼女は、フライト先でのアバンチュールを常としている。

そんなキャシーの人生を一変させる事件が起きる。いつものように、バンコク行きのフライトで出会った乗客アレックスとの一夜を楽しんだキャシーは、アレックス殺害の容疑者になってしまったのだ。

事件が起きた夜もアルコールを浴びるように飲んだキャシーは何が起きたのかまったく思い出せない。異国の地での逮捕を恐れたキャシーは自分の痕跡を隠蔽して帰国をするが、空港ではFBIが待機していた。

殺人事件の容疑者になったキャシーは記憶を探りながら無実の証明に乗り出すが、謎の暗殺者から命を狙われる危険の渦中へと足を踏み入れていくことになる。

主人公の背景

主人公キャシーの背景は?

The Flight Attendant/出典:IMDb

主人公:キャシー・ボーデン(ケイリー・クオコ)

仕事:フライト・アテンダント(客室乗務員)

アルコール依存症

仕事中も機内食用のアルコールを飲む

出張先では一夜の関係を楽しむ

「人気者」を自負している

過去のトラウマを抱えている

逃避癖がある

「親友」の弁護士アニーを頼る

思い込んだら突き進む

離れて暮らす兄がいる

評価

データは記事執筆時のものです

IMDb:7.0(/10)

ロッテントマト
トマトメーター(批評家による評価):91%
ポップコーンメーター(一般視聴者による評価):62%

軒並み高評価!
私はまずまずの満足度でした

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『フライト・アテンダント』シーズン1&2:感想

ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください

ケイリー・クオコが仕掛ける罠!

いつか観よう、そのうち観よう……と思いつつ、後回しにしていた『フライト・アテンダント』を全話まとめて視聴しました。

ながーく漬け込んだ作品でしたが、事前に知っていたことと言えば……

・ケイリー・クオコ主演・総指揮
・ケイリー・クオコ演じる主人公は客室乗務員(フライトアテンダント)
・乗客と一夜を共にした主人公が目覚めると、ベッドの隣には殺された乗客が横たわっている

……という、ざっくりすぎるほどざっくりしたもの。

ネタバレなしで見たい派なので仕方ないことではありますが、いざ観始めたら、主人公キャシーの「酒・酒・酒」な姿に言葉を失い、ただただ唖然。

乗客の命を預かる客室乗務員が業務中にがぶがぶ飲酒して、フライト先で乗客と一夜を共にする。しかも、そんな彼女がファーストクラスの担当。さらに、事件が起きた後の行動ときたら、パニックになって証拠隠滅はするわ、嘘に嘘を重ねるわ、お酒に逃げるわ……。

そんな設定、有り得んやろ(ー_ー;)

……と、ツッコミ止まらず。キャシーのキャラ設定にドン引き状態。

でも、距離を置いて彼女を見ると、ハタ!と気づいたのです。キャシーにイライラしてしまうのは、ケイリー・クオコが、依存症の「醜さ」をまったくオブラートに包まずに演じきっていたからだと。

キャシーが壊れていくほど、見ていて苦しくなる。

それでもアルコールを手放せないキャシーにイラついてしまう。

はあ。こんなに私を苦しめてくれた、ケイリー・クオコの演技力に脱帽です。

ダークコメディに徹した演出

殺人事件の容疑者、殺し屋に命を狙われる、アルコール依存……と、この作品が扱うネタはシリアス。だけど、世界観はポップで徹底したコメディテイストです。

このブレなさがあるからこそ、キャシーのぶっ飛んだキャラクターが嫌味にならず、イキイキと映ったんだと思います。

さらに、このユーモラスな演出のおかげで、殺人犯や凶悪犯でさえも、どこか人間味溢れるキャラとして描かれていた点は個人的に大満足。

特に、シーズン1で謎の殺し屋としてキャシーを追い詰めるミランダ。なぜかキャシーを気に入ってしまった彼女は、シーズン2では窮地に陥ったキャシーのもとに駆けつけて、大いに楽しませてくれました。

さらに、「あっという間に到着でーす!」と言わんばかりの、画面を分割しつつ音響効果で緊迫感を煽るアップテンポな演出。秀逸でしたー。

世界各国を飛び回る慌ただしさが実感でき、スピーディーで視聴者も一緒にキャシーの焦りを体感できるポップな仕掛け。これは、本当にセンスが良かったです。

惜しかったところ

ここからは、当ブログの恒例になりつつある、愛の辛口パートです(;´∀`)

同僚ミーガンのスパイ事件

The Flight Attendant/出典:IMDb

まず1つ目は、家庭もキャリアも順調なのに満たされないものを抱える同僚ミーガンの「うっかり国家スパイになっちゃった」件。

ミーガンは制作陣の肝いりキャラだったのかもしれません。そう思えるほど、彼女のストーリーは結末まで丁寧に描かれていました。

キャシーと真逆で安定した基盤がありながらも空虚なミーガンは掘り下げ甲斐のあるキャラだったと思います。彼女がなぜスリルを求めたのか、なぜキャシーを友人と思うのか。さらに、同僚シェーンが実はCIAだったという伏線に繋げるためにも、ミーガンは重要な存在でした。

でも、彼女のサブストーリーを掘り下げれば掘り下げるほど、キャシーのメインストーリーにブレーキをかけているように感じてしまったのも事実です。思うに、彼女のサブストーリーは、もう少しコンパクトにしたほうが好印象になったかもしれません。

キャシーと母のこじれた関係

20年ぶりに再会した母親はキャシーに怒りをぶつけ、最終的にキャシーの謝罪で和解の道が示されました。

「謝罪」は、新たな人生を歩むキャシーの第一歩。

キャシーが周囲の人を傷つけたのは事実です。母親も縁を切りたくなるほどの迷惑をかけられたんだと思います。

でも……と、私は考えてしまいます。

あくまで一視聴者としての感想ですが、キャシーが問題児になった一因は父親が日常的に酒を与えていたからだと思うのです。

そんな環境に我が子を置いた母とキャシーの和解。

すっごく難しいテーマだと思います。甘い考えではありますが、ダメな妹を見捨てなかった兄が示したような優しい愛を母にも観たかったかもしれません。

まとめ

アルコール依存の赤裸々な姿から始まった『フライト・アテンダント』。このドラマが全話を通して描いたのは、アルコール依存症から立ち直ったキャシーの物語です。

それは間違いではないけれど、私の心には、自分の意志で「私は最低でした」と認め、薄氷を踏むような危うさを抱えたまま、それでも自分の足で一歩を踏み出す、血を吐くような大人のケジメの物語として刻まれました。

共感度ゼロだったキャシーのことを、最終的にはダメな部分も含めてまるごと応援したくなるなんて。自分の変化に驚いてます。

そして、キャシーの親友アニーについても一言触れておきたいです。

The Flight Attendant/出典:IMDb

シーズン1のキャシーとアニーの友情は、まるで共依存のように見えました。けれど、アニーはキャシーを助けるプロセスの中で自分自身の人生を軌道修正し、さらに逃避癖を改め自分の心と向き合いました。最終的に愛するマックスを手放さなかった彼女の勇気には、観ていて本当に嬉しくなりました!

そんなアニーを含め、サブキャラクターたち全員にちゃんと希望の光が見える、本当に大満足の幕引きです。

一生続くであろう依存症との闘いを覚悟を持って、少しずつ前へ進むキャシーの姿を、もう少しだけ見守りたかったな。そんな名残惜しさもありますが、シーズン3へ更新しなかった制作陣の決断は「作品の質を保った英断」として全力で称賛したいです!

ケイリー・クオコが仕掛けた罠にハマった充足感を感じながら、この最高にポップでビターなドラマに拍手を送りたいと思います!

お読みいただきありがとうございました

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