
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『ハイジャック』シーズン1
このドラマのキーワード
- ハイジャック
- 交渉人
- 疑心暗鬼
- 人質
- 黒幕

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました
ドバイ発ロンドン行きのキングダム29便(KA29)。機内トイレで銃弾が発見されたことをきっかけに、5人組が29便をハイジャックする。ドバイ管制に緊急事態を知らせた機長はコックピットを死守しようとするが、銃口を突きつけられた愛人のCAを助けるためコックピットを明け渡してしまう。犯人に屈した機長は「緊急事態は誤報だった」と訂正し、機内は犯人グループに制圧される。乗客のひとりである企業交渉人のサムはwifiが切断される前に「機内で事件発生」のメッセージをロンドンに住む別居中の妻マーシャへ送信し、マーシャの恋人である刑事ダニエルが調査を開始する。緊迫した機内では、サムが犯人と接触を図りながら解決策を探り始める。
主要人物


サム・ネルソン
(イドリス・エルバ)
乗客
企業間の交渉人
別居中の妻宛に緊急メッセージを送る
犯人グループと接触する
事態収拾を画策する
アレン機長
(ベン・マイルズ)
愛人を助けるためコックピットを明け渡す
機内ゲームでサムと交信する
管制へ危機を知らせるチャンスを伺う




ダニエル
(マックス・ビーズリー)
サムの別居中の妻の恋人
ロンドン警視庁刑事
地上での作戦に加わる
アリス
(イヴ・マイルズ)
ロンドンの管制官
KA29を担当する
誤報として処理されたKA29のハイジャックに気づく


画像出典:IMDb
評価
IMDb:7.4
ロッテントマト:90%



たっぷり恐怖を味わったので
『ハイジャック』シーズン1全話まとめて感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
傍観者として楽しめばいいはずなのに、なぜだか29便に搭乗した乗客の気持ちで見てしまい、「当分、飛行機には乗らないぞ!」と心に誓ってしまうくらい、まさに恐怖を追体験したドラマでした。
とはいえ、恐れおののくほどの恐怖を感じたのは、このドラマが素晴らしかったことの証とも言えます。
このドラマの特徴は、ドバイ⇒ロンドン約7時間のフライトを7話に分けているところ。話が進むごとに緊迫感が高まる展開で、ストーリーの流れに勢いがありました。
その7話の中で、ハイジャックされた29便の機内を中心に、ロンドンで対応するチーム、管制官チーム、主人公サムの家族周辺など複数のストーリーが並行して描かれます。特に印象に残ったのは、イギリス政府側に比べ、犯罪組織側の迅速で容赦ない対処ぶりが勝っていた点です。
まずは主人公サムについての感想と考察です。
ストーリーはハイジャックされたところから急展開してゆく流れで、犯人グループよりも主人公サムの行動が読めず序盤は困惑しました。
ハイジャック発生後の第1話のラストで、サムは犯人グループに協力を申し出るのです。それは裏切りにも見えるのですが、サムには思惑があったんですよね。
このドラマを見る前の私の予想は「ハイジャックされた29便に乗り合わせたサムが事態を収める流れ」というシンプルなもの。その予想は大筋では間違っていなかったけれど、想像とは全く異なる事態の収め方が用意されてました。
サムの背景にあるのは、プロの企業間交渉人という生業です。武闘派でもなければ、リーダーシップを発揮して乗客をまとめあげるタイプでもないんですよね。彼が得意としている戦略は、状況を見極め、交渉相手である犯人グループを観察し、弱みをみつけ、懐柔できるポイントを探すこと。
そういう視点で考えてみると、状況を把握したいサムが犯人グループに協力を申し出たことも納得です。さらに、サムが目指したものは、犠牲者を出すことなくウィンウィンで収拾を図ることだったように思えます。
地上グループに目を向けると、ハイジャックに気付いたロンドンの管制官アリスが素晴らしかったです。
遅刻魔らしいところが玉にキズではありますが、彼女がいなければもっと悲惨な結末になっていたはずです。「たぶん」「おそらく」といった不確実なものを受け付けず、真実を見て判断する姿はまるで救世主。毅然とした彼女の姿は、このドラマのなかで数少ない心が沸き立つシーンでした。
さて、重要なポイントであるハイジャックの目的は、刑務所に収監されている黒幕たちの解放と彼らが大金を得ることでした。手下たちにわざわざハイジャックさせたのは、株価を操作して大金を得るため。ハイジャック犯は真の目的も知らずに、命令に従ってるだけでした。
ハイジャック真の目的が明かされるとともに、物語はクライマックスへ。さらなる難局を経て、シーズン1は終わります。
犯罪組織の実態やその規模は不明なまま終わりましたが、周到なプランを立て、予期せぬ出来事に対してもドバイとロンドン双方で迅速に対処していることを考えると、国際的な巨大犯罪組織で間違いないですよね。
シーズン2は、その組織とサムが対峙する流れになるのでしょうか?今後の展開を楽しみにしつつ、私の感想を終わります。



お読みいただきありがとうございました

