
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『捜索者の血』:概要
キーワード
- 冤罪と脱獄
- DNAの謎
- 複雑な関係図
- 信頼の絆
- 驚愕の真相

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました
無実の主張も虚しく、デヴィッド・バロウズは、3歳だった息子マシュー殺害で終身刑になった。
バットで殴打された遺体は損傷が激しく、マシューだと確定したのはDNA検査だった。目撃証言もあり、デヴィッドは夜驚症のせいで愛する息子を惨殺したと判断されたのだ。
妻さえも無実を信じてくれず、人生のすべてを失ったデヴィッドは息子を救えなかった自分を罰するかのように終身刑を受け入れた。
事件から5年が経ち、面会者もなく孤独に服役するデヴィッドに、驚きのニュースがもたらされる。面会に来た元妻の妹レイチェル(ボストン・グローブ社の元敏腕記者)が見せた写真には、死んだはずのマシューと同じ痣を持つ少年が映っている。
その知らせを合図のように、命を狙われるようになったデヴィッドは、予想外な助けを得て脱獄することになる。
評価



データは記事執筆時のものです
IMDb:7.3(/10)
ロッテントマト
トマトメーター(批評家による評価):65%
ポップコーンメーター(一般視聴者による評価):59%



興味を引き付ける「謎」が良かった!
『捜索者の血』:感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
実はワタクシ、前に観た「ハーラン・コーベンのドラマ」にハマらなかった過去があります。ミステリーは大・大・大好物なはずなのに、あのこんがらがった人間関係図や「ええ!」と驚く急展開に、脳内が完全に迷子状態……(;´∀`)
妙な苦手意識から、この『捜索者の血』もスルーするところでした。
でも、主演がサム・ワーシントンとブリット・ロウワーであること。「息子を殺した罪で服役中の父親が脱獄し、死んだはずの息子を探す」という謎プロットに惹かれて観てみたら、手に汗握る展開に引き込まれ、週末イッキ見してしまいました。
人間関係絡み合う複雑な構成
ハーラン・コーベン作品といえば、(私が把握できないほどの)「複雑に絡み合う人間関係」です。
このドラマもご多分に漏れず、過去と現在が交錯するプロットに複雑な人間関係が練り込まれたような緻密さでした。
そんな迷路のような関係図の作品でありながら、イッキ見するほど夢中になれたのは、ストーリーの核に太くて強烈な軸があったからにほかなりません。
その核とは
「息子マシューは本当に生きているのか?」
「なぜDNAまで一致した凄惨な事件が起きたのか?」
この太くて強烈な謎が頑丈な糸となり、迷子になりそうな私を引っ張り続けてくれたんだと思います。
さらに、このドラマで実感したのが、信頼できる主人公がいるって、こんなにも物語の見やすさに直結するんだな、ということ。
主人公であるデヴィッドと元妻の妹レイチェルを軸にストーリーは進むのですが、サスペンスによくある「この人、裏切るんじゃないの?」という不穏なギスギス感は一切なし。さらに付け加えると、ドラマあるあるの「身近な相手とつい寝ちゃった」もなし!
デヴィッドは自分の無実(冤罪)を証明することなんて二の次で、ただただ「息子を取り戻したい」だけ。 失墜したジャーナリストのレイチェルも、これを「復活のための特ダネ」とは思っておらず、ただ「甥を見つけたい」だけ。
打算なし。 駆け引きなし。 ブレなし。
そんな2人がストーリーの「錨(いかり)」として機能していたからこそ、複雑な謎解きに没頭できたんだと思います。
キャスティングの妙!
このドラマの魅力のひとつは、豪華俳優陣のキャスティングです。
「出演者リストに有名俳優がいれば、犯人が予測できちゃうよ……(¯―¯٥)」なんてこともよくありますが、このドラマではそんなことはありませんでした。
マシュー事件の謎の「引力」が強すぎて、物語に没入してたからというのもあるのですが、それ以外にも理由があります。
中だるみしそうな中盤で満を持して登場するマフィアの親分ニッキー・フィッシャー役クランシー・ブラウンの圧倒的な存在感。そして、計り知れない闇を匂わせる富豪ガートルード・ペイン役マデリーン・ストウの怪演。
制作陣の思惑通りに煙幕役のふたりに惑わされた私は、出演者リストから犯人探しという雑念に浸る余裕はありませんでした。
さらに、絶賛したいキャスティングは、デヴィッド役のサム・ワーシントンとレイチェル役ブリット・ロウワーです。このふたり、相性ピッタリでした。
ブレない信念や、安易なロマンスを挟ませないほどの緊迫感を見せてくれたふたり。絶品のアンサンブルに拍手喝采です。
愛をこめて違和感を語る
ここからは、どうしても言わずにはいられないツッコミタイムです(笑)
愛があるからこそ言わずにいられないモヤモヤがあるのです。
ツッコミ1:緻密すぎる偽装殺人
過去シーンを見ると、マシュー誘拐はヘイデンの突発的な犯行にも見えるけれど、恐ろしいほど緻密に計画されていたんですよね。
計画にはガートルードも加わり、隠蔽工作はプロの犯罪組織レベル。
スイスから身代わりの少年を連れてきて、身元不明になるまで殴打し、DNAを偽装。
こんな非道な計画、誰が思いついたの?……と、あまりのサイコパスぶりにツッコまざるを得ません。
ツッコミ2:汚職刑事スタヴロスの件
ガートルードの手先として動く汚職刑事スタヴロス。
様々な悪事の実行犯であろう彼。「本職の警察の仕事はどうした?」と気になって仕方ありませんでした。
本職をこなしつつガートルードの仕事もしているの?いつ寝てるの?という疑問もさることながら、彼のガートルードへの忠誠心が謎すぎました。報酬以上のものがあるに違いないと思いつつも、真相はわからずじまい。
キョウレツな存在感に反比例するかのような脇役っぷりに、報われない悲哀を感じてしまいました。悪役なのに……。
ツッコミ3(最大級):元妻シェリルの謎メンタル
ここが一番の謎!夫デヴィッドの無実を信じずに離婚したシェリルです。
彼女を責めたいわけじゃないけれど、よりによって事件の夜に自分を誘ったロナルド・ドリーズン(誘拐の片棒を担いでいたと言われても仕方ない男)と再婚して子供まで授かってる件。
彼女は事件の夜、ロナルドの誘いに応じて帰宅を遅らせてしまった自分を責めていました。誘いそのものは「コーヒーでも」という軽いものだったけれど、誘いを断って帰宅していれば事件を防げたかもしれないと思っていたんですよね。
それなのに、その後悔の源でもあるロナルドと再婚できるかな?百歩譲って彼を好きになったとしても、彼の顔を見るたびにトラウマがよみがえると思うんだけど……。彼女のメンタルは謎です。
さらにツッコミたいのが、事件解決後のシーン。デヴィッドの父親の葬儀(家族の集まり)に、元妻シェリルの隣にロナルドがいる図……。えええーー、それアリ?と、のけぞるほどの違和感でした。
なぜなら、この時点でみんな知ってるわけですよね。事件の夜、ロナルドが嘘の交通事故で医師のシェリルを呼び出し、さらに足止めしていたことを。
なして、みんな水に流せるのーー?と、疑問の大嵐でしたよ(ー_ー;)
まとめ
ツッコミどころも含めて想像以上に楽しめた作品でしたが、ラストには手放しのハッピーエンドとは言えない、切なく深い余韻が残りました。
事件は解決し、マシューは本当の両親(デヴィッド&シェリル)の元に戻りますが、これから成長とともに重い真実を知っていく彼の未来を思うと、胸が締め付けられるような切なさが残ります。
そんな切なさを抱えたラストシーンだからこそ、最後に用意されていた演出が本当に素晴らしかった!
デヴィッドとレイチェルの「手が触れ合うささやかな愛情表現」
派手なラブシーンではなく、静かで繊細なスキンシップだったからこそ、「ああ、2人はお互いを支え合って新しい未来へ歩み始めたんだな」という希望が見え、マシュー少年を案じる私の心をじんわりと温めてくれました。
彼らの歩む未来が、どうか明るいものでありますように。



お読みいただきありがとうございました

