
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『マトロック』シーズン2:概要
キーワード
- 真の友情とは
- 策略
- 復讐と正義
- 新たな家族
- 癒えぬ心の傷

イントロダクション

シーズン2の導入部分をまとめてみました
マティの「復讐」に協力するはずだったオリンピアは、隠蔽の実行犯であるジュリアンをかばい、マティと対立する。マティはジュリアンを告発しようとするが、オリンピアは復讐すべきはジュリアンの父シニアだと訴える。
オリンピアとの信頼関係が揺らぐ中、マティ夫婦は孫アルフィの実父を名乗る男への対応に追われることになる。
評価



データは記事執筆時のものです
IMDb:8.0/10
ロッテントマト
トマトメーター(批評家による評価):96%
ポップコーンメーター(一般視聴者による評価):62%



安定の高評価ですね!
私はまずまずの満足度
『マトロック』シーズン2:感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
この件については触れるべきか迷いましたが、シーズン2が始まる前に、ビリー役の俳優が不祥事により降板する件は知っていました。(詳細は各自でお調べくださいね)
マティの復讐劇の続きよりも、作品全体の空気感や変更必至の関係図が気になり、ハラハラしつつ視聴しましたが、ここではドラマの内容に絞っての感想を綴りたいと思います。
マティとオリンピア:W主演?
視聴前にあった暗いイメージを一掃してくれたのは、オリンピアでした。
序盤から存在感を発揮したオリンピアは、まるで主演の座を射止めたかのごとく、マティの好敵手となって復讐劇を複雑にして、楽しませてくれました。
エリート意識高めで傲慢な雰囲気さえあったオリンピアですが、彼女の本質は正義感や優しさを持った人間味ある人。優秀な弁護士としての顔だけでなく、人間臭い部分を見せてくれた彼女の好感度は急上昇です。
シーズン2では、マティとオリンピアの友情がテーマのひとつとしてあるのですが、このオリンピアの素顔は、その友情により真実味を与えてくれました。
マティがなぜオリンピアを好きになったのか、なぜ彼女との友情を失いたくないのか。オリンピアの人となりを見せることで、マティが彼女を大切に思う気持ちを表しているようでした。
ジュリアンの贖罪
シーズン2のキーパーソンをひとり挙げるとすれば、それはジュリアンです。
ジュリアンはオピオイドの危険性を示した証拠を隠蔽した実行犯でしたが、隠蔽を指示したのはジュリアンの父シニアです。
「隠蔽したジュリアン」と「隠蔽を命じたシニア」
マティにとっては両者とも悪。オリンピアにとっては命じたシニアこそが悪。ふたりの認識の違いは、序盤の見どころでもありました。
で、肝心のジュリアンです。思うに、彼はずっと罪悪感を抱えていたのではないでしょうか。自覚してなかったにせよ、「罪悪感」の棘は彼の心の片隅にずっと刺さっていたのではないかと思うのです。
そう思ったのは、マティの孫アルフィを見て泣き崩れたシーンです。あれは、見て見ぬふりしていた「罪悪感」が堰を切って流れ出した瞬間のようでした。
「やるべきことをしただけ」「会社のためだった」「父のためだった」……と、自分を誤魔化しながら生きてきた偽善の日々は、どれほどジュリアンを苦しめていたことでしょう。
そう思うほどに、ジュリアンは善人でした。
これも、私の想像ですが、シニアが息子ジュリアンを軽んじていた理由は、幼少期から優しい子で、シニアの「教え」に染まらなかったからじゃないかなって思えるのです。他人を出し抜いたり、蹴落としたり。そんなことはせず、他人に優しく、思いやりのある息子。それは、シニアにとっては物足りなく思えたのかも知れません。
しかーし!しかしですよ!シニアは何者かが自分を追い込もうとしていると悟ると、ジュリアンの優しさを利用しましたよね。認知症のフリをして。
どこまでも腹黒いシニアでしたが、最後はジュリアンが決定的な証拠をつかんで、シニア逮捕に貢献しました。
「お前の考えはお見通し」とばかりの傲慢なシニアの裏をかいたジュリアンの罠。フェイクの盗聴器を発見させることで、自慢げに自白させる流れは、まさに勧善懲悪の醍醐味!
でも、シニア逮捕に貢献したジュリアンは、我が身を守る取引もせずにシニアと共に逮捕されました。それこそが善人たる証ではありますが、残念な気持ちにも。逮捕されて罪を償うことは、ジュリアンにとって贖罪だったのかもしれません。
復讐のゆくえ
さて、ジュリアンの捨て身の活躍で、マティの「復讐」は成功!証拠隠蔽に関わった幹部全員の逮捕で終わりました。
結果はそうなんですが、そこに至るまでのマティの感情の揺れ動きを見ていて、ふと思ったことがあります。
『マトロック』が描こうとしていたテーマは「復讐」ではなく、「いかにして矛を収めるか」ということだったのではないか。と。
劇中、マティが呪文のように何度も繰り返す言葉があります。
「ハンドルを握って、前へ進む」
あれは、復讐に集中するよう自分を鼓舞する言葉です。でも、あの言葉には「オリンピアとの友情を壊したくない」「善人であるジュリアンを刑務所送りにはしたくない」「嘘を重ねたくない」という本音が見え隠れしていました。
やがて、マティは「復讐」に執着するのではなく、大切な人を悲しませない選択もあるということに気づきます。さらに、亡くなった娘のための「復讐」だったけど、娘がオリンピアと出会わせてくれるためのものだったと考えるようになりました。
シニアを追い詰める復讐劇の裏で、実は「復讐心を手放す方法」を探る物語でもあったんだなあと、最終話を見終えてじわじわ実感しました。
まとめ
シーズン2で、マティの復讐ストーリーはひとまず終わりました。
シーズン3では新たなテーマが用意されているそうで、独立したマティとオリンピアが主軸になる構想とのこと。いろいろとゴタゴタした空気を一新する狙いもあるのかもしれませんが、共に物語を紡いできたサラやジュリアンにも、引き続き出演してほしいです。


そして、本作を「最後の作品」と公言しているキャシー・ベイツさん。
彼女が定めたゴールはわかりませんが、そのモチベーションに見合うだけの、納得できる物語を見せてもらえたらと願っています。
ハンドルを握って、前へ進む。
このセリフは、ドラマ『マトロック』にも言えることなのかもしれません。



お読みいただきありがとうございました



