
この記事は感想ひとくちメモのような内容になってます。作品についての考察や深掘りはしておりませんが、ネタバレは含みます。ご了承のうえ、お読みください。
あらすじは・・・
ハリウッドで成功を収めた人気プロデューサーのフランクリン、ベストセラー作家として活躍するメアリー、そして劇作家・作詞家のチャーリー。若き日に同じ夢を追い、固い友情で結ばれていた3人は、いつしか別々の道を歩み、関係も大きく変わっていた。
U-NEXTより
評価

データは記事執筆時のものです
- IMDb:7.2/10
- ロッテントマト
トマトメーター(批評家による評価):95%
ポップコーンメーター(一般視聴者による評価):95% - メタクリティック(メタスコア):78/100



観たかった作品を見ることができました
胸いっぱいの大満足!
ひとこと感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
トニー賞で恋に落ちて


『メリリー・ウィー・ロール・アロング』との出会いは、2024年のトニー賞。
そこでのパフォーマンスを見て、興味を持った作品でした。
実は、アカデミー賞やエミー賞など、いくつかの授賞式の中で、私のお気に入りはトニー賞なんです。
トニー賞は舞台作品の授賞式なので、ほとんど観ることのできない作品ばかりですが、他の授賞式にはないアットホームな空気や、「素晴らしいものを作ろう!」という一体感が伝わってくるのです。
そんな私にとっての「観ることのできないまぼろしの作品」……が、なんと、舞台を撮影したものを劇場公開。さらに、配信!嬉しくて目が♡になってしまいました。
そんな熱い気持ちで鑑賞した『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は、逆回転で進む異色の物語。
脚本、俳優陣、音楽……何もかもが素晴らしすぎる……。
と、すっかり魅了された私は、すでに2回鑑賞しております……(;´∀`)
音楽が誘うその人の歴史
この作品、ストーリーは
「学生時代に出会ったフランク、チャーリー、メアリーの3人の友情が、人生の歩みと共に壊れてゆく」という物悲しくも、シンプルなもの。
なのに!!これほどまでに引き込まれるのは、音楽の力にほかなりません。
メインテーマのように繰り返し歌われる「Old Friends」
この曲のキャッチーなメロディは心に刻まれること間違いなし。いまでも、私の脳内ではリピート再生中です。(;´∀`)
そして、主人公たちのメインテーマの曲も、それぞれの思いを美しく、ときにコミカルに表してて、ミュージカルらしさに大満足。
ちなみにですが、それぞれが歌い上げる曲の内容は……
フランク:Growing Up
・成功の道を選んだフランクの、変化する(大人になる)ことへの葛藤と決断。
メアリー:Like It Was
・「Old Friends」のメロディから流れるように始まるメアリーの切ないソロパート。密かにフランクを愛し続けているメアリーが昔を懐かしむ。
チャーリー:Franklin Shepard, Inc.
・パートナーだったフランクが友情や作品制作よりも、金儲けや売名を優先することへの怒りと不満。
それぞれの曲は、口に出せない彼らの心そのもの。秘める感情を歌で表現するミュージカルの醍醐味に浸り、素直に感動しています。
人生の分かれ道
この作品の最初のシーンはプロデューサーとして成功したフランクが取り巻きたちに囲まれてるパーティ。メインテーマである「3人の友情」は壊れたところからはじまります。
破綻した友情を示し、なぜ現在に至ったのかを、逆回転で見せてゆくところが特徴です。
この「逆回転の構成」があるからこそ、主人公たちのメインテーマがより切なく響いてくるのです。
最初に結末を見せられても、彼らの物語から目が離せないのは誰の人生にもきっとある「曲がり角」をたどる旅だから。
あの時、違う選択をしていたら。
あの時、もっと強い自分だったら。
あの時……。
フランクが金儲けを選んだ理由をたどっていくと、そこには彼なりの事情がありました。離婚、財政難……特別な人だから起きたわけではなく、誰にでも起こりうることだった。その事実の物悲しさを思うと、頭ごなしに彼を批判できない気持ちにさせられました。
時間は巻き戻せない。それは事実。
でも、人生はやり直せると思いたいです。踏みとどまってやり直す勇気をフランクが持てたら。彼を受け入れる寛容さをチャーリーとメアリーが持てたら。
互いを許し合えれば、彼らの未来は変わるのかもしれません。
まとめ
最後になってしまいましたが、こんなに感動させてくれたフランク役ジョナサン・グロフ、メアリー役リンゼイ・メンデス、チャーリー役ダニエル・ラドクリフに感謝したいです。
3人の演技と歌唱力。言葉が見つからないほど、素晴らしかった!
「壊れた友情」から始まり、「夢を追いかける友情のはじまり」で終わる『メリリー・ウィー・ロール・アロング』は、切ない空虚さが残る作品でした。
でも、フランク、チャーリー、メアリーの人生は、まだ道半ば。冒頭シーンでフランクの心にあった「虚しさ」と向き合う覚悟を持てば、数年後の未来、あのパーティが「人生の曲がり角だった」と思える日が来るかもしれません。
さて、ブロードウェイミュージカルが日本で楽しめる(しかも、自宅で!)ことも嬉しい驚きでしたが、なんと、実写映画化が20年という長期プロジェクトで進行中とのこと。公開予定は2040年!ひょえ〜!
フランク:ポール・メスカル
メアリー:ビーニー・フェルドスタイン
チャーリー:ベン・プラット
監督:リチャード・リンクレイター



お読みいただきありがとうございました

