
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『マインドハンター』シーズン1〜2:概要
キーワード
- FBI行動分析課
- 異常犯罪
- 凶悪犯へのインタビュー
- 未知の新分野
- 相棒とチーム

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました
原作は、元FBI捜査官ジョン・E・ダグラスとマーク・オルシェイカーによるノンフィクション本『マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班(原題:Mindhunter: Inside the FBI’s Elite Serial Crime Unit)』
動機不明の凶悪犯罪が多発する1970年代後半から1980年代前半のFBI。
経験豊富な特別捜査官ビル・テンチ(ホルト・マッキャラニー)が立ち上げた「行動分析課」に、従来の捜査手順に行き詰まりを感じていた若き特別捜査官ホールデン・フォード(ジョナサン・グロフ)が興味を示す。
相棒になったふたりは、講師として国内各地の警察署を回る傍ら、服役中の凶悪犯へのインタビューを始め、ボストン大学の心理学教授ウェンディ・カー(アナ・トーヴ)も加わる。
チームになった3人は、異常殺人犯たちへの直接インタビューから、その心理や行動パターンをデータ化して、現在進行中の未解決事件を解決に導くという極秘の研究プロジェクトを立ち上げる。
評価



データは記事執筆時のものです
IMDb:8.6/10
ロッテントマト
トマトメーター(批評家による評価):97%
ポップコーンメーター(一般視聴者による評価):95%



内容、世界観、素晴らしい!
満点でない理由は「続きが観たい」から
『マインドハンター』シーズン1〜2:感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
監督であるデビッド・フィンチャーの都合で無期限延期になり、実質打ち切りになったとあって、視聴モチベーションがなかなか沸かなかった作品です。
そんな気になりつつも先送りにしてた『マインドハンター』を、ついに!ようやく!視聴しました。
いまさら感が半端ありませんが、感じたことや思ったことなどを簡単に書こうと思います。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
エコノミー席から始まった伝説
「FBI行動分析課」と聞けば、真っ先に思い浮かべるのは『クリミナル・マインド』(クリマイ)。
『クリマイ』を18シーズンも観続けている私にとって、行動分析課の成り立ちを描く『マインドハンター』は、まるで『クリマイ』の前日譚のような作品でした。
それもそのはず!
調べてみると、ホールデンは『マインドハンター』の原作者ジョン・E・ダグラス氏をモデルにしているとのことで、ダグラス氏は『クリマイ』のロッシやギデオンのモデルとのこと。
『マインドハンター』と『クリマイ』を比べると、目を引くのは移動手段の違い。
『クリマイ』組がプライベートジェットで飛び回るのに対し、『マインドハンター』組は民間機のエコノミー。しかも、出張先のホテルは質素なうえ、相部屋。(予算ゲットした後も相部屋なのかー、って、ビルが愚痴ってましたよね)
どうしても、『クリマイ』前日譚視点で見てしまう私は、「この地味な仕事の積み重ねが、あの誇り高きエリートチームを作り上げたのか」と、なにやら感慨深い気持ちになりました。
ホールデンとビルが始めた「犯罪者の心理を理解するため、服役中の凶悪犯にインタビューする」という作業は、まさに「海の物とも山の物ともつかぬ」仕事。
「すぐには報われない努力」を続ける彼らの根気強さと信念。後々、捜査に役立つプロファイリングの土台になったと思うと、ひとり激しく感動しております。
主人公ホールデンの特性


舞台となる「行動分析課」はビルが立ち上げた部署ですが、服役中の凶悪犯にインタビューを始めたのはホールデンでした。
ホールデンは、「行動分析課」のエース!
彼は「犯罪者の心理」を理解すれば捜査に役立つはずと考え、すぐに行動しました。閃きから実践まで、迷いがありません。
ここで注目したのは、ホールデンという人物の適性です。彼は間違いなく、とても賢い人。高IQ、低EQの、いわゆる天才肌。インタビュー中の彼の様子は、犯罪者が語るおぞましい話も、まるで「希少な何か」を観察するみたいに興味深く受け止めている印象でした。
一方、相棒のビルは、共感力が高いぶん、嫌悪感を隠しきれないこともしばしば。
おそらく共感力が強い人は、怪物の闇を防御できず、まともに向き合い続けられないのだと思います。皮肉なことに、心の感度が少し低めのホールデンだったからこそ、この未開拓の分野を切り開けたのかもしれません。
結果として、ホールデンの特性はこの仕事に役立ったわけですが、サブストーリーでは彼の対人関係の不器用さを浮き彫りにしていました。
特に、シーズン1での上司が退職する件はホールデンの人物像を表していました。本人の意思で退職するというのは建前で、真実は行動分析課の不祥事の責任をとったから。でも、建前を鵜呑みにしてるホールデンは祝辞を贈ってしまう……というシーン。
天才的な面と不器用な面を持つホールデン。そんな彼を感情をあらわにするのではなく、淡々と率直に演じたジョナサン・グロフの表現が素晴らしかったです。
正三角形のチームバランス


この作品の見どころのひとつは、行動分析課に集まったホールデン、ビル、ウェンディの3人のチーム力です。
まったく違う個性を持つ3人。
そんな彼らが、ぶつかり合いながらも信頼を築き、誰も踏み入れたことのない分野に挑む姿こそが『マインドハンター』の真骨頂。そこに強く引かれました。
そして、彼ら3人が純粋にこの仕事に取り組んでいたことも特筆したいです。出世とか、名声とか、野心ではなく、探究心と責務のような覚悟を持ってこの仕事に臨んでいました。
またまた『クリマイ』との比較になってしまいますが、『クリマイ』の「チームは家族」というスタンスに対し、『マインドハンター』は「チームは同僚」です。この人と人の距離感が、とてもリアルでした。
彼らの関係性に甘さはないけれど、嘘もない。
猟奇犯罪という重いテーマを扱う作品だからこそ、このドライな関係が歯車のように噛み合い、バランスのとれたチーム力になった。そんなふうに分析しております。
闇との距離感
このドラマの肝である、凶悪犯へのインタビューについて。彼ら、驚きの喋りっぷりでした。
なんでしょうね?あの、得意げな自分語り。あれは「罪の告白」ではなく、まるで「手柄を披露」してるかのようでした。
告白は罪悪感や赦しを求める行為だけど、披露は自分のすごさを見せつける行為。そう考えると、凶悪犯にとって、聞き役(ホールデンたち)は観客だったのかも。さらに、ホールデンの「興味深い」という姿勢は、凶悪犯たちのナルシシストな自尊心を煽った可能性もあります。


「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている」
ニーチェの有名な言葉が浮かびます。
闇の淵を手探りで歩くような危うさを秘めた、心身ともに疲弊する仕事を続けた彼らに、ただただ頭が下がる思いです。
まとめ
手放しに絶賛して終わりたいところではありますが、少し残念だった点についても語ろうと思います。
それは、未完で終わったことで、サブストーリーとして丹念に描いたメインキャラたちの私生活の部分が蛇足になってしまったこと。その一点にほかなりません。
特に、問題を抱える養子の息子を連れて妻が家を出ていってしまったビルのその後を知ることができないのは、残念という言葉では足りないくらいです。
一方、シリーズを通じて断片的なシーンとして差し込まれていたBTKキラーについては、身近に潜む悪を示唆していたと受け止めています。
もし、このドラマが続いていれば、原作者であるダグラス氏にとって重要な犯罪者であるBTKキラーとホールデンたちの戦いを描く構想があったのかもしれません。そこは仕方ないと割り切るしかないです。
『マインドハンター』は、映画版での復活の噂もあるようですが、ひとまず「完結」です。(記事執筆時で、続報はありません)





お読みいただきありがとうございました


