
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『アウトランダー』ファイナルシーズン:概要
キーワード
- リッジへの帰還
- 最後の戦い
- 出生の秘密
- 家族との再会
- クレアが秘める力

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました
リッジへ戻ったクレア&ジェイミーを迎えたのは、イアンを中心に住人有志が建てた、焼け落ちた家によく似た新しい家だった。
繁栄しているリッジの交易所を訪ねたジェイミーは、新しい入植者カニンガムと出会う。カニンガムが30年も国王軍にいた退役軍人だと知ったジェイミーは、わざわざリッジに入植した彼を訝しむ。
そんな中、過去の時代で生きると決めたブリアナ&ロジャー家族が戻ってくる。ブリアナが未来から持参した本は、独立戦争におけるスコットランドのルーツについてのものだった。まるで予言書のようなその本に書かれているのは、ジェイミーが巻き込まれることになる「キングスマウンテンの戦い」についてだった。
評価



データは記事執筆時のものです
IMDb:8.3/10(全シーズンのスコア)
ロッテントマト
トマトメーター(批評家による評価):100%
ポップコーンメーター(一般視聴者による評価):55%



え!ポップコーンは驚きの数値
私は満足♡
余韻もあり、ファンタジーらしい幕引きでした
『アウトランダー』ファイナルシーズン:感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
とうとうこの時がやってきました。
『アウトランダー』最終章。クレアとジェイミーの物語、完結です。
しみじみと振り返れば、このドラマを初めて観たとき、ふたりの熱愛シーンに度肝を抜かれたことを思い出します。
当時、海外ドラマ初心者だった私は「海外ドラマおそるべし」と感じ入ったものでした。
その『アウトランダー』を見届けられた喜びを感じながら、感想を綴ろうと思います。
覚悟としての愛
最終話まで観終わって実感したことがあります。それは、『アウトランダー』の核にあったテーマは、「家族の愛と絆」だったということ。
主人公であるクレアとジェイミーだけではなく、主要キャラたちそれぞれの愛がシリーズを通して描かれてきました。
魂と魂が結びつくように出会い、愛し合う。それぞれ愛の形は違うけれど、共通してあったのは「愛することの覚悟」でした。
クレアとジェイミー


主人公であるクレアとジェイミーの愛は、支えるとか寄り添うとかではなく、「共に生きること」。人生そのものを選び取る愛。……そんなふうに感じます。
共に過ごした時間の長さや年齢的に達観した部分もあるとは思いますが、ふたりの愛は感情に流されるようなものでなく、激しさの中にも「ある覚悟」があったと思います。
それは、自分の意思で人生をまるごと背負う覚悟。
そんな揺るぎない愛で結ばれたふたりでしたが、シーズン7でジェイミーが見せた嫉妬には苦笑してしまいました。(ジェイミーが死んだと聞かされて、悲嘆に暮れたクレアとグレイが寝ちゃった件)
時代を超えたふたりの愛は紆余曲折があり、それぞれ別の人と暮らしもしたのに。それでも妬いてしまう。言葉で説明できないほど深い愛……なんだと思います。
イアンとレイチェル


信仰も価値観も違うふたりの愛は、押し付け合うのではなく寛容な愛でした。
イアンも純粋な一途さを持つ人ですが、レイチェルも負けず劣らずの純粋さ。
損得も嫉妬もなく、まっすぐな心を持つふたりの「愛」は、まるで深い森の中にある透き通った湖のような印象です。
特に、モホーク族への忠誠を捨てないイアンの、過去も、前妻も、息子までも、全部まるごと引き受けたレイチェルの寛容さと芯の強さ。彼女の「覚悟」は、感動的ですらありました。
ブリアナとロジャー


ブリアナとロジャーは、ファイナルシーズンでようやく地に足をつけて歩み始めた印象です。
共に未来人であるふたりの愛の形は、互いの人生への敬意を感じます。ブリアナは知識や技術を活かし、ロジャーは牧師になる。それを互いにサポートし合う関係。
その一方で、ふたりには求め合う激しさを感じました。ぶつかりながらも、離れられない引力みたいな愛。
その理由を考えてみたのですが、ブリアナは実父を、ロジャーは両親を知らずに成長したことが根っこにあるのかな?ブリアナを育てたのはフランクだったし、ロジャーも牧師館で育てられましたものね。
実父や実の両親への思いが、互いの求め合う気持ちになったのかも。と、深ぼり妄想しております。
どの時代かより、誰と生きるか
シーズン1から、何度「ああもう、未来へ戻って!」と思ったことでしょう。
過去の世界は過酷です。特に未来を知るクレアたちにとって、この世の地獄と思ったことも一度や二度ではなかったはずです。
でも、クレアもブリアナもロジャーも、過去の時代を選択しました。
未来へ戻り、ブリアナを育て、医学を学んだクレアが2度目のタイムトラベルを決断した理由は、ただジェイミーに会いたいという一途な思いだけだったと思います。
そんなクレアが過去の時代こそが自分のいるべき場所だと感じるようになった理由は、虐げられる女性たちや、ケガや病に苦しむ人々を助けることに、生きがいと喜びを見出していったからにほかなりません。
いつしか過去の時代そのものを愛していた。そんな変化がクレアの中にあった気がします。


ブリアナとロジャーもまた、自分の意思で過去を選び直しました。
娘の治療のために未来へ戻ったふたりは、事件に巻き込まれたことをきっかけに過去へ戻ることにしましたが、ふたりの心には過去の時代への強い郷愁があったのではないかなと思ってます。
その郷愁の源は、クレア&ジェイミーを始めとする家族や友人たち。過去の時代に生きる人々。便利さよりも大切な何かを、彼らは過去に見出したのだと思います。
タイムトラベルやロマンス、そして戦争。壮大な物語ですが、このドラマが語ってるのは「愛こそすべて」というシンプルなものなのかもしれません。
グレイ卿とウィリアム
数多くの登場人物がいる『アウトランダー』の中で、お気に入りを挙げるとすれば、私はグレイを挙げたいです。


節目節目でジェイミー一家を助けてきたグレイですが、存在感は薄めでした。もっと登場してほしいと切に願ってましたが、シーズン7あたりからメインに昇格?がぜん登場回数が増えて、彼と息子ウィリアムの物語が描かれてゆきました。
グレイのジェイミーへの想いは、決して報われることのないもの。その報われぬ想いを抱えながら、ジェイミーの実子であるウィリアムに嘘偽りない愛を注ぐ高潔さ。彼は、「血の繋がりはなくても、愛は本物」を体現している人でした。
でも、出生の秘密を知ってしまったウィリアムは、当然のように苦しみ、荒れました。そして、嘘をついていたグレイやジェイミーへの怒りから、やがて「自分は何者なのか」というアイデンティティの苦しみへ。
そんなグレイ親子の側面をきちんと描いてくれたことが嬉しかったです。
ただ、もっと観たかったー!!……というのが本音。
ウィリアムが伯爵という使命を背負って、これからどんな道を歩んでいくのか。
グレイやジェイミーとの関係性は変わるのか。そして、どんな女性と出会うのか。
その先を自由に想像できる余白として、これはこれで良かったのかもしれません。でも、正直なところ、観たかった件が山盛りです。(;´∀`)
死の予言とラストシーン
いったん未来へ戻ったブリアナの「お土産」……まさかの、クレアの未来の夫フランクが書いた「ジェイミーの死」にまつわる本でした。
あれは、ビッグサプライズでしたよね。ジェイミーとクレアは、「なんでフランクはこの本を書いたの?」と、悶々としてました。
フランクの真意は分かりませんが、善意に解釈したい私は、あの本は「フランクなりの後方支援」と受け止めてます。「生き延びるための手引書」……みたいな。
さて、その本に記されていた「ジェイミーの死」。
命を落とすことになると知りながら、ジェイミーとクレアは戦いに臨みました。
ジェイミーは、自分の子孫たちのためにアメリカ建国へ尽力するという覚悟を持って。
クレアは、「ジェイミーの死」を自分の力で覆すという決意を持って。
そして、ラストシーン。フランクの「予言書」通り、ジェイミーは倒れ、クレアは彼を救えません。
でも、ここから丁寧に張り巡らされた伏線の回収が始まります。
ジェイミーの亡骸に寄り添うクレアから発せられた青い光。そして、白髪に変わったクレアの髪。
「青い光」は、シーズン7で明かされた、マスター・レイモンドがフェイス(フランス時代に死産だったクレアとジェイミーの娘)を蘇生させた癒しの力と同じもの。「白髪」は、患者の赤ちゃんを蘇生させたときに「癒しの力を使えば、クレアの髪は白髪になる」と示されていました。
ファンタジー色を全面に出した、余韻あるラストシーン。感慨深かったです。
まとめ
たくさんいたメインキャラクターたちの物語を、ひとつひとつ丁寧に完結させたファイナルシーズンでした。
ただ、ファーガスの死だけは、どうしても心残りです。
フランス時代からジェイミーを慕い、実の息子同然だった彼が、シーズン7あたりからほとんど出演していなかったこともあって、正直「死ぬ必要はなかったんじゃないか」と思ってしまいます。
家族みんな元気だよ、って顔を見せてくれるだけで、十分だったんじゃないかな。
その一方で、心から美しいと思った「謎の回収」もありました。
第1話で蒔かれた謎の種。それは、未来のフランクが目撃した、インヴァネスの宿屋の外で窓際に立つクレアを見つめる不審な男(ジェイミー)。あのシーンです。
クレアの最初のタイムトラベルは偶然だとばかり思っていたけれど、もしかしたらジェイミーが彼女を導いていたのかもしれない。……そんな種明かしに、胸がいっぱいになりました。
二人の愛には、終わりも始まりもない。
この壮大な物語を、ここまで見届けられたことに、ただただ感謝しかありません。
クレア&ジェイミーの親世代のスピンオフも楽しみですし、いつか、クレアたちのその後をまた見られる日が来たらいいなと、そんな希望を持ちながら、わたしの感想を終わります。



お読みいただきありがとうございました

