
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『セヴェランス』シーズン1
シーズン1のキーワード
- 不条理な世界観
- 支配と監視
- 人間性とは
- 人権と尊厳

セヴェランスとは

このドラマの前提は?
作品の舞台となる製薬会社ルーモン産業の特定部門に所属する社員が受ける医療処置。脳に特殊なチップを埋め込むことで、仕事と私生活の記憶を分離する。私生活の主人格(アウティー)とルーモン社内だけに存在する職場人格(インニー)は互いにアクセスできない。
イントロダクション



作品の導入部分をまとめてみました
交通事故で妻を亡くしたマークはその悲しみに耐えられず、大学教授の職を捨て、セヴェランスを受ける。マークの職場人格(マークS)は、ルーモン産業の、人格が分離された職員が働くフロアにあるマクロデータ改良部に所属する。ある日、リーダーだったピーティが何の前触れもなく退職し、ピーティと親友だったマークSは困惑する。慌ただしく新リーダーに任命されたマークSは新入社員ヘリーRを迎えるが、彼女はルーモン産業の異質な環境に激しく抵抗する。一方、アウティー(私生活人格)のマークに退職したピーティが接触する。
主要登場人物


マーク・スカウト
(アダム・スコット)
主人公
妻を亡くしセヴェランスを受ける
マクロデータ改良部リーダー
元歴史学教授
妹デヴォンと仲が良い
ヘリーR
(ブリット・ロウアー)
マクロデータ改良部新入社員
インニーであることを拒否
強く反発する




ディランG
(ザック・チェリー)
マクロデータ改良部
マークSの同僚
特典を楽しんでいる
アーヴィングB
(ジョン・タトゥーロ)
マクロデータ改良部
マークSの同僚
社の規則に忠実




ハーモニー・コベル
(パトリシア・アークエット)
分離フロア管理職
私生活では隣人セルヴィグとしてマークを監視する
ミルチック
(トラメル・ティルマン)
コベルの部下


画像出典:IMDb
シーズン1まとめて感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
とても不思議でとても奇妙な世界観。
分離フロアの無機質な雰囲気が不気味さを醸し出していました。
『人格を私生活と職場に分離するセヴェランスは本人が望んで受けた処置』
・・・ということでしたが、それは主人格(アウティー)の判断によるものなんですよね。なので、職場人格(インニー)にとっては理不尽そのもので、新入社員ヘリーRが頑なに拒絶するのも当然です。
ヘリーRの登場は単調な日々が延々と続くマクロデータ部に新鮮な空気を運んできたようなものでしたが、実際は嵐でしたね。
現状を受け入れないヘリーRによって、セヴェランスで人格を分割する処置が、いかに残酷で、非人道的なものなのかが示されていました。人格を無視されるだけでなく存在意義さえも否定されるインニーは、まるでアウティーの奴隷のような存在。そんな印象を受けました。
「なぜ自分はここで強制労働させられているのか?」という疑問の答えはいっさい与えられず、反抗すれば罰せられる。とんでもない独裁企業だと憤りを感じますが、会社と契約したのは実際に働くインニーではなくアウティーというところがミソなんでしょうね。この点でも、インニーがアウティーの奴隷のように感じてしまいます。
非常識な条件下で働く理由が明かされたのは、主人公マークと新入社員ヘリーRだけでした。マークは妻が死んだという事実を忘れる時間を得るため。ヘリーRについては、創業者一族として会社発展のため。(というのが私の推測)
このセヴェランスを受けた理由については、マークたちの同僚アーヴィングとディランにも掘り下げお願いしたいです。特に家族と暮らしている(子どもがいた!)ディランがどんな事情でセヴェランスを受けたのか気になります。ぜひシーズン2で!
さて、この作品で感じる『漠然とした不安や恐怖』の源は、分離フロアの管理者コベルによって作り出されていたように感じます。コベルを演じるパトリシア・アークエットのあの不気味さ。あのすごみ。圧巻でした。
コベルはマークたちの上司なんですが、部下を管理しているというより支配しているという言葉がぴったり。そんなコベルが私生活のマーク(アウティー)を監視している理由(執着にも見える)が分からず、ここはちょっと消化不良に感じるポイントでした。
さて、インニーのマークたちが奥の手で自分のアウティーの素性を知り、物語はシーズン2へ続きました。マークは死んだはずの妻が分離フロアのカウンセラーで、さらに上司のコベルが隣人として自分の私生活に干渉しているという衝撃の事実を知りました。(まさに面白くなってきたところで、シーズン1は幕を閉じるんですよねー)
自分の素性(事情)を知ったマークとヘリーがシーズン1同様に分離フロアで働くことは難しいと思うのですが、同僚たちのその後を知るためには分離フロアに行くしかないというジレンマ。どう選択するんでしょう。
ところで、シーズン1でのマークたちマクロデータ改良部の仕事を見ていると、この人たちはセヴェランス被験者としてなんらかのデータを収集されているのではないかと感じました。意味ある仕事に思えないし、非常に厳しく監視されていたので。うーん、どうなんだろう?
様々な謎が頭の中でぐるぐるしてますが、続きはシーズン2ですね。分離フロアでヤギを育てている部署のこと、死んだはずのマークの妻のこと、ピーティを再統合したルガビという元社員のこと・・・。気になる点は尽きません。



お読みいただきありがとうございました
シーズン2もよろしくです



