
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『サイロ』シーズン1&2:概要
キーワード
- 終末世界
- 監視社会
- 身分の階級
- 抑圧された世界
- 大いなる謎

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました
ヒュー・ハウイーの小説(『ウール』『シフト』『ダスト』の3部作)を原作とした、ディストピアドラマ。
【前提】「サイロ」は地下144階の巨大な居住シェルター。そこで暮らす約1万人の住人は、「協定」に書かれた厳格なルールに縛られている。
彼らは「外の世界は有毒」と信じ、「外へ出たい」と言葉にすることは処刑を意味する。
「清掃」という名の「処刑」は、防護服を着用のうえ外へ出され、外の景色を映す外部カメラの掃除を意味する。住民たちはカフェテリアの大型スクリーンにて「清掃の様子」を見守るが、生き延びた者はいない。
【あらすじ】外へ出ることを望み、「清掃」という名の処刑で死んだ妻の後を追うように、ホルストン保安官が清掃を選ぶ。ホルストンが後任に「最下層である機械部のジュリエット・ニコルズ」を指名したことで、サイロを裏で牛耳るIT部のバーナード・ホランドが暗躍を始め、サイロの平和は崩れ去ってゆく。
『サイロ』シーズン1&2:感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
シーズン3の配信が始まり、遅ればせながら『サイロ』の波に乗ることにしました!
作品について知っていたことは、「地下に作られた巨大な施設が舞台のディストピア作品」という、極めてざっくりしたもの。そして、視聴開始直後の印象は、「スノーピアサー(ドラマ版)みたいかな」というもの。
『スノーピアサー』を途中で脱落した身としては、ハマらないかもという思いが浮かびましたが、不安は杞憂でした。気づけば、『サイロ』沼にハマってました。
シーズン3までイッキ見したい気持ちを抑えて、シーズン1&2のまとめ感想を綴ります。
平等も自由もない世界
視聴開始直後に感じた「スノーピアサーみたいな点」は、この巨大施設の社会構造にあります。
一見、秩序があって、ルールがあって、住人たちは平穏に暮らしている。そんなふうに見えるのですが、社会構造はカースト制そのもの。支配する側とされる側で成り立ち、抽選による妊娠許可制も、実際は支配する側が管理していました。
こういう社会で生きたいとはまったく思いませんが、興味深いのは、住人それぞれが担う仕事に誇りを持っているところです。
最下層の機械部の「サイロを動かしているのは私たちだ!」という強い思い。中層階や上層階と比べて劣悪な環境だとしても、彼らの中には「生きる意義」が感じられました。
重要な存在だと住人各自に思わせることは、支配される側をコントロールする絶妙なテクニックなのかもしれません。押し付けるのではなく、それぞれが誇りを持って仕事に精を出す仕組み。
反抗心を抑え、自らの意思で精力的に働く。完璧なマインドコントロールだと考えると、恐怖政治のあり方が示されてるようでゾッとします。
見せかけの平和
マインドコントロールか否かはさておき、主人公であるジュリエットたちの「役割に対する自負」は、40年近く市長職に就いていたジャーンズの功績かもしれません。
選挙で選ばれた市長であるジャーンズだからこそ実現できた「平和な社会」。
しかし、ジャーンズが暗殺されたことから、市長代理になったIT部トップのバーナードが否応なしに表舞台に立つことになり、サイロの闇があからさまになってゆくところから物語が急展開!
シーズン1序盤で重要人物だった保安官ホルストンや副保安官が退場し、主人公ジュリエットが新保安官に就任。……と、目まぐるしく変化する様子を描くストーリーの中に、サイロ内の諸事情の説明(各部署の力関係や法律)を盛り込んでいた点は素晴らしかったです。
さらに、シーズン2では、支配する側だと思っていたバーナードたち(IT部や司法部)もまた、何かに支配されている。そんな構図をじわじわと見せてくるあたりに、このドラマの凄み(褒めてます!)を感じました。
個性的な登場人物たち
すっかり『サイロ』に魅了された私ですが、登場人物が多いのが玉にキズ。なんといっても、1万人規模のコミュニティとあって、「人間相関図を把握できた!」とは言えません。
そんな私ではありますが、メインキャラの迫真の演技にはすっかり心を奪われてしまいました。
中でも、シーズン1&2を牽引したジュリエットとバーナード。素晴らしかったです。
ジュリエット:一生懸命の正義


レベッカ・ファーガソン演じるジュリエットは、このドラマの主人公。圧倒的な存在感で、視聴者を『サイロ』の世界へ導きました。
ジュリエットについて特筆すべき点は、中層階の生まれながら、自らの意思で低層階の機械部へ移ったところです。その背景には、弟と母の死がありました。彼女が頑なに「体制に抗い、真実を追い求める」のは、母が自殺した理由を知りたいという切実な思いがずっと心の底にあったからなのかもしれません。
そのジュリエットですが、私の第一印象は「機械部のアイドル」……でした(;´∀`)
生意気だし、危険分子に違いないけれど、憎めない存在。口ではどう言っていようと、機械部の仲間たちは彼女のことが大好きで、誇りに思っている。そして、彼女の「正義」を信じている。そんなふうに感じました。
ジュリエットを応援したくなる理由は、彼女が常に一生懸命だから。その懸命さの源には「愛」があるから。サイロ人らしさではなく、本来の人間らしさを感じるからにほかなりません。
バーナード:サイロを守る正義


バーナードは『サイロ』の闇を描く人物です。
バーナード役のティム・ロビンスの演技が、凄すぎ!「善」の部分がいっさい感じられない、あの風情。いやもう、黒すぎる!
彼には底知れぬ「悪」を感じましたが、シーズン2まで見終わると、彼もまた『サイロ』の住人のひとりでしかなく、単なる駒のひとつだったのではないかと思うようになりました。
バーナードは「反乱」を防ぐため、暗殺やら隠蔽やら、後ろ暗い仕事を実行してゆきます。そこに感情を挟む余地はなく、「やるべきこと」をするだけ。
そんな悪の権化かと思ったバーナードもまた、サイロの住人たち同様に「自分の仕事が重要」と信じ込んでいるだけなのでは?と思ったのは、メドウズ裁判官を暗殺した時に見せた悲しみからです。
「殺したくなかった」という苦悶。あれは、彼も支配される側のひとりにすぎないと示しているようでした。
こうして並べてみると、ジュリエットとバーナードは鏡合わせのような存在として描かれているんですよね。この設定の妙、驚かされます。
多くの謎に興味津々
このドラマの最大の魅力は、なんといっても散りばめられた『謎』の数々。
シーズン2までで判明したことは、同様のサイロが近隣に50個もあり、管理センターのような「サイロ1」があること。
この「サイロ1」……。不気味すぎます。謎を掘ったら、さらに深い謎が見つかった!……みたいな?
妄想を膨らませずにはいられません。ということで、「サイロ1」の私の第一印象はAIです。
1万人規模のサイロを50個!しかも、数百年前から続いている仕事。まるで蟻の巣のようなサイロを見下ろす大きな存在がいるとすれば、感情や寿命に左右されないAIという設定のほうがしっくりきます。
そして、何度も出てくる過去の遺物「ペッツ(キャラクターの頭部がついたお菓子ディスペンサー)」。あれが何を意味しているのか。シーズン2で少しだけ描かれたサイロ以前の世界のシーンでも出てきたことを考えると、よほど重要なアイテムなはずです。
どんな答えが用意されているのか(されてないと落胆必至だわー)、いまから楽しみです。
まとめ
誰が本当の味方で、誰が体制側の目なのか。疑心暗鬼な人間関係のヒリヒリ感が、極めて深い没入感へ誘っていました。
崩壊寸前のサイロの今後も気になりますが、決死の覚悟で帰還したジュリエットを襲った災難。どうやって彼女を救出し、この物語を繋げてゆくのでしょうか。興味は尽きません。
大風呂敷を広げるようでもありますが、シーズン4で完結すると明言されているので、シーズン3からは謎の回収もはじまりそうです。
妄想を超える答え合わせを期待しつつ、私の感想を終わります。



お読みいただきありがとうございました


