
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。

『窓際のスパイ』シーズン2
シーズン2のキーワード
- 冷戦時代
- 元KGB
- 復讐
- ロシア

スラウハウスとは?

舞台となる部署の前提は
古びたビル(MI5別館)にある、落ちこぼれエージェントが左遷される部署。
かつて有名スパイだったジャクソン・ラムが率いる。
イントロダクション



シーズン2の導入部分をまとめてみました
MI5副長官タヴァナーの野心が招いた大惨事(シーズン1での出来事)での活躍もなかったことにされたスロウハウスに、新たな落ちこぼれが左遷されてくる。付き合うようになったルイーザとミンは、リヴァーの天敵である本部のウェブの仕事を手伝うことにする。そんな中、引退して久しいMI5の元スパイがバス車内で死亡し、暗殺を疑うラムは元スパイが残したメッセージを見つける。
シーズン2まとめて感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
シーズン2の陰謀は、元KGBが企てた復讐という蜘蛛の糸が張り巡らされ、関係図や諸事情といった全容を把握するのが難解な内容でした。
まず、書いておかねばならないのは殉職したミンのことです。
シーズン1でもスロウハウスのエース的スパイだったシドが亡くなったとされましたが、ラストで彼女は生きていると示されたので、ミンは(ドラマが始まって以来の)初の殉職者ということになります。
なにが悲しいかというと、ミンという人間の上っ面しか知り得なかったことです。
シーズン1から見てきたミンは、とてもではないけれどMI5のエージェントになる人とは思えませんでした。愛国心とか、正義感とか、そういったものよりも、努力せずに損得を計算しながら生きていくタイプに見えました。
そんな印象のミンが、なぜMI5に入局したのか、左遷される前のミンがどんな人だったのか、その辺のことを知りたかったです。
ロシア人を深追いしたのは、ミンが本来もっていた野心とか、功名心に突き動かされてのことだったのかな。そういったミンの背景については想像するしかないことが、残念で仕方ありません。
しんみりした気持ちになってますが、新メンバー2名が加わったことは明るい話題でしょうかね。セクハラ上司を殴ったシャーリーとギャンブル依存症のマーカスです。それぞれ問題は抱えてますが、重要な点は信頼できる人物なのかということですよね。落ちこぼれ部署とはいえど、MI5なんですから。いまのところではありますが、新メンバーの2人は好印象。
さて、シーズン2は、シーズン1でタヴァナーがラムを脅すネタに使った元MI5チャーリー暗殺をめぐる冷戦時代の因縁を描く内容でした。
シリーズ通してのテーマだろうと思っていた『(リヴァーの祖父の指示で)ラムがなぜ仲間であるチャーリーを殺したのか』が、はやくも明かされました。
チャーリーはソ連のスパイでした。
チャーリー暗殺の理由は、ラムがうっかり漏らした東ドイツにいる内通者のヒントがソ連に伝わり、その情報をもとに東ドイツは該当する女性3名を惨殺した・・・という恐ろしいものでした。
当時のラムの心境を想像すると、とてつもない怒りと自責の念を抱いたはずです。裏切り者だっただけでなく、女性を見殺しにすると分かっていながら情報を流したことを許せるとは思えません。そして、内通者のヒントを漏らした自分自身も許せなかったのだと思います。
チャーリーがソ連に傾倒した理由や経緯は不明ですが、チャーリーを工作員として使っていた元KGBが長い年月を経た今(しかもイギリスに亡命しているというのに)、復讐に乗り出したことを考えると、深い情で結ばれた絆があったのかもしれません。
ラムを煙に巻く元KGBの巧妙な作戦にスロウハウスチームも振り回され、行動派リヴァーだけでなく、ナルシシストのロディさえ現場で大活躍。ラムと因縁の相手との対決シーンもあり、ハラハラしつつクライマックスへ。シーズン2も見応えたっぷりでした。
ラムの鋭い直感力と達観力(とスロウハウスのチーム)が陰謀を阻止して終わりましたが、私が気になっているのはキャサリンです。
チャーリーの遺体発見者でもあるキャサリンは自殺という判断に納得しておらず、真相を求め続けると思うのです。スロウハウスの落ちこぼれたちに雑用係みたいに扱われている彼女ですが、直感力と粘り強さはスパイ顔負けです。チャーリーの死の真相を知ったとき、アルコール依存症を抱えるキャサリンの人生が崩壊するのではと心配です。



お読みいただきありがとうございました





