
この記事は感想ひとくちメモのような内容になってます。作品についての考察や深掘りはしておりませんが、ネタバレは含みます。ご了承のうえ、お読みください。
あらすじは・・・
スラム街出身で無職の男・デル。ある日、彼はハンディキャップを持つ大富豪・フィリップの介護人として働くことになる。キャリアも教養もないお調子者のデルに周囲は不快感を見せるが、フィリップは互いに刺激しあう日々に充実感を覚えていた。
U-NEXTより
評価
IMDb:7.0
ロッテントマト
平均トマトメーター:43%
平均ポップコーンメーター:82%

心に染み入り、笑顔になれる!
ひとこと感想



重大なネタバレはしていませんが
作品のテーマに触れています
鑑賞にあたって
オリジナルのフランス映画『最強のふたり』を見たのは、もう随分前のこと。
そのオリジナルが素晴らしくて、あえてリメイク版を見ることもないと思っていたのだけど、『THE UPSIDE 最強のふたり』はストーリーの流れを知りつつも、見終わった後に心地よい余韻を感じる作品でした。
ブライアン・クランストン圧巻の演技
そういうわけで、オリジナルのフランス映画との比較なしに、この『THE UPSIDE 最強のふたり』についての感想を語りたいと思います。
まず、最初に挙げたいのは、フィリップを演じるブライアン・クランストンの演技が実に素晴らしかったこと。
「動かせるのは顔(表情)のみ」という制限がある中で、フィリップの喜怒哀楽のすべてを表現する演技力は凄まじく、かといって押し付けがましいものでもなく、フィリップが抱える切実な感情が痛いほど伝わってくるのです。
その一例が、天井に取り付けたモービルを見つめるシーン。
開放感に浸り、想像の世界で空を飛び、自由を味わうフィリップ。そして一瞬にして訪れる絶望感。
静かなトーンで描かれるそのシーンの中に込められたフィリップの悲哀と孤独。
胸がしめつけられる深い演出でした。
絶妙なバランスのキャスティング
そして、もうひとつ称賛したいのは、絶妙だったキャスティングについてです。
フィリップ(ブライアン・クランストン)、デル(ケヴィン・ハート)、イヴォンヌ(ニコール・キッドマン)
この主要キャラの3人から生まれる笑いや涙が、とても自然なものでした。
特に、フィリップとデルのかけあいは楽しく、演技とは思えないものなのです。
知識も経験もないデルが四肢麻痺のフィリップを介護する様子は、まるでシナリオのないアドリブのようでした。もちろん演じているわけですが、介助される側のフィリップの笑顔は演技とは思えない心からのものに見えるのです。
意外にも相性抜群で友情を深めてゆくフィリップとデル。そんなふたりを一歩引いたところから支えるイヴォンヌ。
3人のバランスの良さが、この感動の物語を支えていたといっても過言ではないはずです。
まとめ
『THE UPSIDE 最強のふたり』はコメディとして気楽に楽しめる映画ですが、「人生に喜びを!」という力強いテーマを感じます。
たとえ立ち直れないほどの悲劇に遭ったとしても、たとえ悲観するような状況にいたとしても。(たとえ金持ちでなくとも!)
ささやかなきっかけと勇気があれば、笑顔にもなれるし、希望も持てるはず。
人生に疲れたときこそ見たいと思う、そんな映画です。



お読みいただきありがとうございました

