
この記事は、管理人しかが作品の世界に浸りながら想像力を広げ、思いをめぐらせながら綴ったものです。素人目線の解釈に基づくため、思い込み、勘違い、間違いなどがあること、あらかじめご了承ください。また、感想はネタバレを含みますので、未視聴の方はご注意ください。
『バッド・シスターズ』シーズン1:概要
このドラマのキーワード
- 姉妹の絆
- 死の謎解き
- モラハラ毒夫
- 素人による殺人計画
- 良心と復讐心の葛藤

イントロダクション

作品の導入部分をまとめてみました
両親亡きあと互いを支え合い、固い絆で結ばれたガーベイ家の5人姉妹、イーバ、グレース、アースラ、ビビ、ベッカ。
彼女たちは、グレースの夫ジョン・ポール(JP)が死んだことで切羽詰まった状況に追い込まれてしまう。
事情を抱える保険屋は殺人の証拠を探し回り、後ろ暗い秘密を抱える姉妹たちは戦々恐々。何を隠そう、長女イーバを中心にアースラ、ビビ、ベッカの4人はJP殺害を企てていたのだ。
主要人物の背景



姉妹たちの「JPを憎む理由」をチェック!


イーバ
長女で姉妹のリーダー的存在
独身で実家を守り続けている
同じ職場のJPに昇進を邪魔される
JPに不妊症を揶揄される
グレース
JPの妻
心優しき女性
JPとの間に娘がいる
JPに支配され、常に見下されている
アースラ
看護師
夫と3人の息子がいる
浮気をネタにJPに脅される
ビビ
同性婚をしている
息子がいる
JPが起こした事故で片目を失う
ベッカ
末っ子
保険屋の弟マットと知り合う
マッサージセラピストとして開業を目指している
資金援助を約束したJPに裏切られる
JPの母と親しい


評価
ロッテントマト
平均トマトメーター:100%
平均ポップコーンメーター:66%



トマトメーターが100!!
非常に完成度が高い作品でした!
『バッド・シスターズ』シーズン1:感想



ここからネタバレ全開の感想です
未視聴の方はご了承のうえお読みください
素晴らしい構成!
スバリ!『バッド・シスターズ』の見どころは、「繰り返しを飽きさせない構造」でした。
テーマはシンプル
「モラハラ男にブチ切れた姉妹たちの復讐劇」
ストーリーは繰り返し
「 怒り⇒殺意⇒殺害計画⇒葛藤⇒実行⇒失敗」
一見すると単調になりそうな内容ですが、ラストまで釘付けにさせられたのは、この構造が絶妙だったからだと思うのです。
その中で、私が「ここが良かった!」と感じたポイントを3つ挙げたいと思います。
1:JPの死を大前提に据える
まず、冒頭でいきなりJPが死んだことを明言してる点。
これは飽きさせない必勝ポイントだったかもしれません。
JPの生死があやふやなままでストーリーを進めていたとすると、姉妹たちの殺人計画ループの面白みも半減したはずです。
「JPは死んだ」という大前提があるからこそ、「誰が?どうやって?」という謎解きがラストまで続き、ミステリー作品としての魅力もアピールできたと感じます。
2:絶妙なサブストーリー
2番目のポイントは、保険屋兄弟と周辺キャラたちが織りなすサブストーリー。
保険屋兄弟は物語をかき回すスパイス役 。隣人ロジャーをはじめとする周辺キャラたちは容疑者役。
特に周辺キャラたちとJPの因縁を丁寧に描くことでシンプルなテーマがぐっと複雑になり、最後までJP殺害犯を特定させない巧みさがありました。
3:絶対的な悪役
JPの設定は徹底してましたよね。
もう、一切のブレなし!
掘っても、掘っても、毒しか出てこない(笑)
その徹底ぶりのおかげで、この作品の肝である「殺人を企てる姉妹が善」で、「被害者のJPが悪」という逆転の構図が、違和感ゼロで成立していました。
JPを知れば知るほど、姉妹を応援する気持ちが強くなり、いつしか愛おしさまで感じるようになる。これぞ、ブラックユーモアの沼ですね。
姉妹とJPの深堀り考察
この作品の影の主役といってもよいでしょう。
毒男、モラハラ夫のJP。この人、姿を見るだけで萎えてしまうほどインパクトある人物でした。
ここで一つ、私のなかで「最大の謎」があります。
それは「なぜ、グレースはJPと結婚したのか?」ということです。姉妹たち(特にイーバ)は結婚に反対しなかったの?とも感じてます。正直、これが最大の謎です!
ということで、グレースとJPの結婚事情を想像してみました。
姉妹たちは、JPのナルシシストぶりを「物怖じせず、自信に溢れる性格」と捉え、「将来性のある頼もしい人」と考えたのかもしれません。彼の本性(毒)を知らなければ、控えめなグレースにはお似合いな相手だと判断したのかも。その姉妹の判断は、当事者であるグレースの決断を後押ししたのかもしれません。
一方、JPにとってグレースとの結婚は、「ガーベイ家の実権を握る」という計算があったのかもしれません。
JPの(あの!)性格を考えると、姉妹たちを精神的にも金銭的にも支配できると思っていた可能性は十分あります。でも、実家を継いだのはイーバで、姉妹たちの精神的な家長もイーバのまま。
さらに、見るからに余裕を感じる暮らしぶりの姉妹たちに対し、JPは父親に金の無心をしていました。
この「生活レベル」の差は、JPの「劣等感」を刺激したはず。ナルシシストのJPにとって、「劣等感」は絶対に受け入れられないものだったはずです。
その歪んだ「劣等感」で膨らんだJPの怒りが向けられた先は、実質ガーベイ家の主であるイーバでした。JPにとって、イーバは「自分の惨めさを映す鏡」のような最高に疎ましい存在だったのかもしれません。
JPと保険屋トーマスの対比
ブラックユーモアが散りばめられた内容の中で、「ここが秀逸!」と思ったのは、クセの強いふたりの男性の対照的な描き方です。
「支配」のJPに対し「献身」のトーマス。
JPの「妻への愛」(あれを愛と呼べるなら)は、相手を依存させ自由を奪う「所有欲」でした。
対するトーマスの「妻への愛」は、プライドや倫理観を捨ててでも守る「自己犠牲」。
さらに、JPの妻グレースは「精神的に動けない状態」で、夫婦の関係は支配と服従。
対するトーマスの妻は「(病気で)物理的に動けない状態」で、こちらの夫婦は互いを思いやる絆で結ばれている。
JPはグレースを毒し、トーマスは病める妻を支えている。まさに「対極」という言葉がぴったりです。
JPとトーマスの対比を示すことで、暗に「愛の定義」を問うているように感じたのは、わたしだけでしょうか。
まとめ
最後は丸く収まった……そんな結末でしたが、静かな波紋のような心残りが漂っています。
それは、大きな役割を果たしてくれた保険屋兄弟トーマスとマットのことです。


JPの保険金はケリがついた形で終わりましたが、彼らの父親が遺した横領のツケは1件や2件では済まないはずです。「父の遺した負の遺産」に縛られる保険屋兄弟の今後を知り得ないことが、ほんの少し心残りです。
さて、JPを葬り、ようやく真の意味で結託した『バッド・シスターズ』は、シーズン2へ続きます。
彼女たちが遭遇する次なる災難は何でしょうね。
危うくて、強固。そんな『微妙な結束力』で災いに立ち向かう姉妹たちとの再会を楽しみにしつつ、私の感想を終わります。



お読みいただきありがとうございました



